「ブラックパンサー」釜山の聖地巡礼

2018/03/01 21:37 Written by Narinari.com編集部

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「マーベル初の黒人ヒーロー」「キャスト&スタッフの大半が黒人」「オープニング興収2億ドル超え」など様々な話題を振りまき、脚光を浴びているマーベル新作映画「ブラックパンサー」(配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ)。日本でも本日3月1日から公開が始まったが、公開に先駆け韓国・釜山のロケ地巡りツアーに参加してきた。

前もって伝えておきたいのは、釜山での撮影は一部であること(※釜山での撮影は2017年3月中旬から2週間ほどかけて行われた)。大部分は米ジョージア州アトランタのスタジオで撮影されており、釜山で撮影されたのはブラックパンサーとヴィランによるスリリングなカーチェイスのパートとなっている。また、カーチェイスの撮影は夜間に行われていること、スピーディーに場面が切り替わることから、写真を見比べただけでは認識が難しいことはご了承願いたい。

[1]チャガルチ市場(中区)



天才科学者の妹がハンドルを握るレクサス「LC500」(映画の設定では希少鉱石ヴィブラニウムで作られた車)に飛び乗ったブラックパンサーが、カジノから逃走したヴィランを追いかけるシーンが撮影されている。撮影されたチャガルチ市場は韓国最大規模の魚介類専門市場で、観光客にとっても“お約束スポット”。映画ではヴィブラニウムの取引現場となる会員制カジノが人目を避けるようにして運営されているが、実際のチャガルチ市場にも小さな飲食店(ホルモン料理が有名)が立ち並ぶ狭い路地が通っており、“秘密の入口”が隠されていたとしてもまったく違和感なし。なお、カジノ内部はアンコール・ワット(カンボジア)にインスパイアされたデザインとなっているようだ。


[2]ヨンソン大路(影島区)



ブラックパンサーがヴィランの車に飛び移るシーン。道路に特別な装置を設置、敵の車が転覆するシーンも撮影されている。撮影にあたっては一般車両の侵入を規制したり、近所の教会を食事場所として利用させてもらったりしたそうで、撮影は夜9時ごろから早朝まで続けられたという。カーチェイスの撮影では道路規制の関係で、まず警察の許可を取り、その後、区、市と撮影許可を取っていく手順が踏まれた。また、映画撮影に同行した現地コーディネイターは「地元民は皆協力的で楽しい撮影になりました」と語っていたが、夜間の撮影ということもあり、絡んでくる酔っ払いにも遭遇したという。


[3]東西大学周辺(沙上区)



東西(トンソ)大学近くの通りが撮影に使用されており、ここではワカンダ王国のナキアとオコエが激しいカーバトルを繰り広げた(ブラックパンサーは登場せず)。現場にはサンフランシスコを彷彿させる急勾配な坂道があり、撮影ではジャンプ台なども設置された。なお、東西大学の映画映像芸術学部は米映画専門誌に「世界20大映画学校」に選ばれており、現在の学長はかつて釜山映画祭の関係者であったそう。そうしたことも影響し、学内の駐車場を撮影クルーに貸してくれたり、学生たちが道路規制の手伝いをしてくれたりと、かなり協力的な雰囲気で撮影は行われたという。


[4]社稷北路(東莱区)



ロッテジャイアンツのホームスタジアム近くに位置する商店街では、予告編でも流れているブラックパンサーがビルを豪快に駆け上がるシーン、クロウが車から身を乗り出してソニックブラスターを放つシーンが撮影されている。現場は飲食店や各種ショップが入る雑居ビルが密集しており、夜になるとハングル文字のネオンが煌めく。撮影時には通りに提灯をぶら下げることで、よりエキゾチックな雰囲気を演出した。ちなみに、撮影チームからは「韓国の繁華街で、看板がよく見えるところ」という要望が上がってきたそうで、第一候補地(大きな繁華街)が工事の都合で撮影不可となったことから、こちらで撮影が行われたそうだ。

[5]広安里ビーチ周辺&広安大橋(水営区)



最後に紹介するのは、普段ならばロマンチックな雰囲気が漂い、カップルの憩いの場ともなっている広安里ビーチとその周辺。ビーチ沿いの道路ではこれまたブラックパンサーがレクサスに掴まりながら疾走するシーン、広安大橋ではブラックパンサーが銃による攻撃をものともせず、ヴィランの車を転覆させるシーンが撮影された。広安大橋のシーンはカーチェイスで最大の見せ場となっているが、大きな橋であるだけに道路規制には手間取ったそうで、釜山市長も尽力してくれたという。なお、広安里ビーチには現在、ブラックパンサーの撮影を記念し、ブラックパンサーの銅像が建立されている。今後“聖地巡礼”を考えている人は絶対に訪問しよう。

なお、アトランタではスタジオ撮影以外にもハイ美術館、シティホールなどがロケ地として使用されている。また、ティチャラ(ブラックパンサー)が王座をかけた儀式に挑む壮大な滝の景色は、イグアスの滝(アルゼンチンとブラジルの国境)がもとになっているという。


取材支援:韓国観光公社

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