マウントゴックス元代表が仮想通貨流出問題語る

2018/02/03 05:52 Written by Narinari.com編集部

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2014年におよそ114億円(※当時のレート)の仮想通貨が流出し、経営破綻に追い込まれたマウントゴックスの元代表、マルク・カルプレス氏が、2月1日に放送されたニュース番組「AbemaPrime」(AbemaTV)に出演。コインチェックやマウントゴックスの流出問題について語った。

今は経営者という立場を離れ、SEとして働いていると話すカルプレス氏。コインチェックから仮想通貨“NEM”580億円分が流出した事件について、「取引所として仮想通貨が盗まれることは日常的なストレスになり、リスクとして存在する」とリスクの存在を認め、それを防ぐ対策として、インターネットから分離した仮想通貨の保管所である“コールドウォレット”の利用を推奨した。

また、自身が経験した流出問題と、今回の騒動を比較したカルプレス氏は、「コインチェックは、NEMを全てホットウォレットに置いていた。マウントゴックスはホットウォレットと、コールドウォレットで分けていた。その結果、破産の後でコールドウォレットに20万ビットコインが残っているのが分かった。もちろん、1番いいのはハッキングを防ぐことだけど、コールドウォレットのおかげで、ハッキングからの流出を一定のところで止めることが出来た」と語り、昨年12月から話題となっている、コールドウォレットに残った20万ビットコインの行方や、マウントゴックスの一部債権者が東京地裁に民事再生手続きへの変更を申し立てた件についても触れた。

そして、視聴者から寄せられた「1番反省していることは?」との質問に、カルプレス氏は「マウントゴックスを運営していた時は1人でスタートして、破産の時には150人くらい雇っていた。1番重要な経営や開発の一部を自分1人でやっていたが、限界があった。特に経営の部分は誰かに任せるべきだったと今は思う」と回答。

また、「もともと僕はエンジニアです」と話すカルプレス氏に、今回不正アクセスされたNEMが今後どうなってしまうのか質問すると、「今回不正アクセスされたお金には、ホワイトハッカーがマーキングをしているが、ハッカーが色の付いていないお金と混ぜたりすることでマーキングの色は薄くなってしまう。さらに、NEMを扱う全ての取引所が協力しないと、ハッカーが別の取引所で1度NEMを入れて引き出すと、同じNEMではなくなってしまうし、その取引所で別の顧客がNEMを引き出したらマーキングの色が付いているNEMだったという危険性もある」として、マネーロンダリングの可能性についても指摘した。

最後に、カルプレス氏は、ネットニュースなどで噂されている“マウントゴックス復活”について、「もし、誰かが新しい取引所を作った時に、マウントゴックスと協力して互いに利益を得るという計画は考えている。その利益でみんなにもともと持っていた100%のビットコインを返したいと思っていた」と、債権者への思いを明かしていた。

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