マイケル・ジャクソン「スリラー」3D版が完成

2017/08/09 11:03 Written by Narinari.com編集部

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長きにわたりその存在が噂され、ファンの期待を集めてきたマイケル・ジャクソンの「スリラー3D」が、8月30日に開幕する第74回ベネチア国際映画祭2017(9月9日まで開催)で世界初公開されることがわかった。マイケル・ジャクソン・エステートが8月7日(日本時間8日)に発表した。

「スリラー3D」 制作にあたっては、再びジョン・ランディスが監督し、マイケルとランディスが脚本を共同執筆したあのオリジナルのショートフィルムには、一切再編集や再カットなどの手は加えられていない。むしろ、オリジナルの風合いをそのまま届けるために、オプティマム・プロダクションズはランディス監督に指示を仰ぎ、マイケルのアーカイブに保存されていたオリジナルの35mmフィルムのネガをもとに壮大なプロセスと卓越した技術を駆使して、伝説の映像を最新技術で3D化した。

さらに、マイケルの楽曲、エルマー・バーンスタインのスコア(劇伴)、サウンドエフェクトなど、すべてのオーディオが5.1ch、7.1ch、ドルビーアトモス対応にアップデートされ、生まれ変わった画像に迫力を添えている。劇場でのこれ以上ない最高の映像体験は、まさにマイケルとランディスが思い描いたオリジナルの世界観そのものだ。

ジョン・ランディス監督は、この発表を行うにあたり、次のようにコメントしている。

「マイケル・ジャクソンのスリラーを、復元どころかさらに素晴らしい形に生まれ変わらせることができるなんて、本当に嬉しいよ!素晴らしい技術の進歩を存分に活かして、ビジュアルだけじゃなく、オーディオも3D化し、まったく新しいレベルに引き上げることができた。『スリラー』はとてもトラッドな撮り方をした映像だと思うんだけど、3Dを使ってクリエイティブな爆発を起こすことができたよ。警告しておくけど、かなり衝撃的な驚きがあるよ!」

また、マイケル・ジャクソン・エステートの特別管財人であるジョン・ブランカとジョン・マクレインもコメントを寄せた。

「マイケル・ジャクソンは、スリラーを、楽しくて、面白くて、怖い、最高にリッチなエンターテインメント作品として誕生させました。後にも先にも、こんな作品を作ったアーティストは他にはいません。マイケルとランディスがあの頃まさに思い描いた夢の完成形が、現代の技術を得て実現したこの『スリラー3D』なんです。ファンは驚喜すること間違いなしです」

もともと、マイケルとランディスは、長編映画を撮るのと同じように「スリラー」の制作に取り組んだ。同作はマイケルが好きだったランディス作品「狼男アメリカン」(1981年)がモチーフとなっている。マイケルをはじめキャストの特殊メイクには、アカデミー賞受賞のメイクアップアーティスト、リック・ベイカーを指名。マイケル・ピーターズとマイケル本人が振り付けにあたった。

当時のマイケルの弁護士であり、現在はジョン・マクレインと共にエステートの特別管財人を務めるジョン・ブランカは、本フィルムの制作費を捻出するためにMTVとShowtime(共にケーブルテレビ局)に本作のメイキング・ドキュメンタリーを売り込んだという(※その模様は番組『メイキング・オブ・マイケル・ジャクソンズ・スリラー』として放送された)。

「スリラー」は1983年にロサンゼルスのAVCO劇場で初上映され、3週間連続満員御礼を記録した。ミュージック・ビデオの枠を遙かに超える興奮を生み出し、時代を代表する作品となったこのクリップは、30年以上が経った今も、誰もが共通体験として記憶している。また、本作はショートフィルムとしては史上初のアメリカ国立フィルム登録簿入りを果たし、アメリカ議会図書館でフィルムが永久保存される事になった唯一のミュージック・ビデオでもある。

マイケル・ジャクソンの「スリラー3D」と「メイキング・オブ・マイケル・ジャクソンズ・スリラー」が、世界で最も歴史あるベネチア国際映画祭でお披露目されるのは、まさにぴったりな感がある。「メイキング・オブ・マイケル・ジャクソンズ・スリラー」は、1983年から1990年までのあいだVHSで販売されていたが、以降は絶版となっている。今回のベネチアでの上映が、ドキュメンタリー賞も受賞した本作の初めての劇場上映だ。

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