横山秀夫「64」が史上初の快挙、英ダガー賞(翻訳部門)の最終候補に。

2016/07/28 18:02 Written by Narinari.com編集部

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作家・横山秀夫氏の長編警察小説「64(ロクヨン)」(文春文庫 上下)が、7月28日にイギリス推理作家協会が発表したダガー賞(翻訳部門)の最終候補作に選ばれた。日本人の作品が最終候補作に選ばれるのは初めて。

イギリス推理作家協会(The Crime Writers' Association/CWA)は、1953年設立、イギリスのミステリー作家たちの由緒ある団体。「ダガー(短剣)」と呼ばれる賞は、長編賞、新人賞などの部門があり、アメリカ探偵作家クラブ(Mystery Writers of America/MWA)のエドガー賞と並んで、世界でもっとも権威のあるミステリー賞と言われている。

今回「64」がノミネートされている翻訳部門は2006年にスタート。年度内にイギリスで刊行された非英語圏のミステリーの中で、最高の作品に贈られるもので、過去の受賞作には、ピエール・ルメートル著「その女アレックス」(2013年受賞 文春文庫)、「傷だらけのカミーユ」(2015年受賞 10月に文春文庫より刊行予定)などがある。最終候補に残った作品は5作あり、受賞作の発表は10月11日の予定だ。

今回の快挙について、横山氏は「とても光栄に思いますが、本書は私にとって初めての英訳本ということもあり、喜びよりも驚きのほうが大きいですね。元号の変わり目(昭和64年)に光を当てた純和風の小説が、歴史ある王室の国で認知されたことには、不思議な縁(えにし)を感じます。本書の誕生と歩みに助勢してくださったすべての方に感謝しています。デビュー前の投稿時代のように、わくわくどきどきしながら受賞作発表の日を待ちたいと思います」とコメントを寄せている。

「64」は俳優・佐藤浩市主演で映画化され、今年、「64-ロクヨン-前編/後編」として公開。たった1週間で終わった昭和64年に起きた未解決の少女誘拐殺人事件(通称:ロクヨン)をテーマに描かれ、佐藤のほか綾野剛、榮倉奈々、瑛太、三浦友和、永瀬正敏、吉岡秀隆、仲村トオル、椎名桔平、滝藤賢一、奥田瑛二、夏川結衣、緒形直人、窪田正孝、坂口健太郎ら、豪華な実力派の面々が集結した。

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