文藝春秋は7月20日、芥川賞を受賞した村田沙耶香氏の「コンビニ人間」の発売前重版を決定した。これにより、累計発行部数は10万部となる。
「コンビニ人間」は7月27日に発売予定。19日に受賞したことを受けて初版6万部としていたが、身近な存在であるコンビニを舞台とした小説という話題性から、全国の書店のみならず、インターネット書店各社からの引き合いが強く、2刷4万部の重版を決定した。
☆「コンビニ人間」概要
36歳未婚女性、古倉恵子。大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年目。これまで彼氏なし。オープン当初からスマイルマート日色町駅前店で働き続け、変わりゆくメンバーを見送りながら、今の店長は8人目だ。
日々食べるのはコンビニ食、夢の中でもコンビニのレジを打ち、清潔なコンビニの光景と鼓膜の内側に蘇る店内の音が、毎日の安らかな眠りをもたらしてくれる。仕事も家庭もある同窓生たちからどんなに不思議がられても、完璧なマニュアルの存在するコンビニこそが、私を世界の正常な「部品」にしてくれる――。
ある日、婚活目的の新入り男性、白羽に「自分が恥ずかしくないのか」と言われるが……。現代の実存を問い、正常と異常の境目がゆらぐ衝撃のリアリズム小説。