美空ひばりの未発売音源発見、今年の生誕日5月29日に初CD化が決定。

2016/05/21 06:05 Written by Narinari.com編集部

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昨年27回忌、来年は生誕80周年を迎える美空ひばりの「さくらの唄」の未発売音源が発見され、今年の生誕日である5月29日に初CD化されることがわかった。

「さくらの唄」は美空ひばりのシングルとして1976年7月1日に発売された。作詞家のなかにし礼が実兄の借金を背負い込んだ後に歌詞を書き、その歌詞を見た三木たかしが詞の内容を気に入り曲をつけたもので、三木自身が歌い1970年にシングルレコードとして発表。ヒットにはならず埋もれていたが、その存在を知った当時のTBSドラマプロデューサーである久世光彦が楽曲に惚れこみ、ドラマ化を企画し主題歌として美空にオファー。カバー楽曲をシングルとして発売することはほとんどなかった美空がシングル化したことでも稀有な一曲とされる。

シングルの制作にあたり、今年2月初旬にマスターテープなどを確認したところ、担当プロデューサーが別バージョンの音源を発見。「さくらの唄」は3コーラスの楽曲で、ギターのアルペジオのみの歌唱に始まり、途中ストリングスが入ると最後にはフルオーケストラ演奏のアレンジとなるが、今回確認されたマスターテープにはそのギター伴奏のみによるバージョンとカラオケ音源が収録されており、今回の発売に至った。なお、カップリングには同じくなかにし礼と三木たかしによる楽曲「われとわが身を眠らす子守唄」が収録されている。

作詞にあたったなかにし礼は「この曲は借金を返しても返しても大変で、疲れ果てたときに書いた遺言のような歌。死を恐れつつも死に憧れた唄。とても暗い歌だけに、この曲がシングルとして発売されることは素直に嬉しい。ひばりのレコーディングに立ち会ったとき、ひばりは本当にうまかった。三木は泣いて歌っていたが、ひばりはにっこり笑いながら歌う。慈愛の笑みで。そのほうがよく伝わった」と語っている。

なお、今年の誕生日である5月29日に行われる「第79回 美空ひばり 生誕祭」は、例年イベントを実施してきた日比谷公会堂が改修に入ったため、浅草公会堂にて開催される予定だ。

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