尾野真千子が狂気の殺人鬼に、撮影後は「疲労感が凄まじかった」。

2015/10/08 06:01 Written by Narinari.com編集部

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女優の尾野真千子(33歳)が“狂気の殺人鬼”を演じる連続ドラマ「フジコ」が、Huluオリジナルドラマとして製作され、11月に配信されることがわかった。

本作は、映像化不可能と言われた“イヤミス”(イヤな気分になるミステリー)の名手・真梨幸子の50万部を超える大ベストセラー「殺人鬼フジコの衝動」をドラマ化したもの。地上波ではない、配信ドラマならではの聖域を侵しかねない映像表現と、新たな可能性を模索するチャレンジ精神により製作される。

演出は「1リットルの涙」や「電車男」(ともにフジテレビ系)などを手がけてきた村上正典が担当。脚本は「凶悪」で日本アカデミー賞優秀脚本賞を受賞した高橋泉、主題歌は斉藤和義の「シンデレラ」が起用された。

尾野は本作について、次のようにコメントを寄せている。

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最初、台本を読んだ時、「殺人はあってはならない悪いもの」という思いから断りたいと思いました。台本の読後感が「むごい、ひどい、つらい」の三拍子で、とてもひどかったからです。正直、こんな衝撃的な役どころから自分を守りたいと思いました。

そんなとき、「凶悪」(脚本の高橋泉が日本アカデミー賞優秀脚本賞を受賞した映画)を観て、「できるかもしれない」と思いました。それでも不安がとれないまま撮影に入り、決して納得して演じたわけではなかったのですが、つくり手の誠実さに賭けました。一言だけで片付けられない、人間の深部に問いかけてくれる部分があるドラマだから、ふんぎりをつけ、受け入れ、チャレンジするように飛び込むことができました。

主人公のフジコは、客観的に見て狂気そのもので酷い女性ですし、一方で可哀そうだとも思いました。この女性はいつ幸せだったのだろうと思いました。フジコなりの幸せは時々あるようでしたが、私たちから見ると可哀そうな人。殺人への衝動の飛躍が凄すぎるし、最後まで共感は一切できませんでした。フジコより他の人が可哀そうでした。私なりの解釈でこの破滅的な女性を演じきりましたが、演じていてとても辛かったです。起伏の激しい平常心でいられない役柄でしたので、とても疲れました。疲労感が凄まじかったです。私にとっては、それだけ全身全霊で入り込めた役ということです。

どうなるんだろう、狂気しかないんじゃないかと不安が90%でしたが、完成したものを観てみると、人の痛みもわかりますし、響くものがいっぱいあり、実は泣けました。やってよかったなとやっと思えた作品ですので、ぜひ、楽しみにしていてください。

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連続ドラマ「フジコ」は11月13日(金)、Hulu/J:COMにて全6話一挙配信。


☆「フジコ」ストーリー

一家惨殺事件の生き残りの少女フジコ。お母さんみたいにはならない――
いつしか幸せだけを追い求め殺人鬼となっていく。
一家惨殺事件の生き残りとしてトラウマを負った11歳の少女フジコ。だが彼女の人生はいつしか狂い始めた。「あたしは人生をリセットできる女」――、呟きながら殺害を繰り返していく。なぜ彼女は殺すのか? 誰が彼女の家族を殺したのか? 愛への渇望か、幸せへの執着か、真実が明かされるとき、最高の後味の悪さと驚愕のラストが、観る者を戦慄と慟哭へと突き落とす。

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