吉田羊がアニメ声優に初挑戦「勝手がわからない新しい世界でした」。

2015/08/05 12:00 Written by Narinari.com編集部

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女優の吉田羊が、アニメーション映画「心が叫びたがってるんだ。」で、声優に初挑戦していることがわかった。

本作はヒット作「劇場版あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」のスタッフが贈る新作オリジナル作品。吉田は、本作の主人公・順の母親の成瀬泉役を演じている。子ども時代にうっかり話してしまった“ある事”がきっかけで家族がバラバラになってしまい、以来しゃべることができなくなってしまった順をもどかしく思い、心の底では心配しながらも、つい辛く当たってしまう、という複雑な想いを持った役だ。

吉田の起用理由について、本作の長井龍雪監督は「『ここさけ』は心の奥底に秘めた想いを伝えたいと思っている人々の物語で、“言葉”というものが重要なキーワードになっています。そして泉は、我が子に言葉で傷つけられ、そして言葉で我が子を傷つけてしまうというとても難しい役です。かねてより吉田さんのお芝居を拝見していて、非常に言葉を大切にされている方だなと感じておりました。吉田さんが、泉という役をどんな風に演じるのか見てみたいと思い、今回オファーさせていただきました」と話している。

一方、吉田は今回の出演について「日本中を泣かせた『あの花』のスタッフによる作品に参加でき嬉しく思います。きっとこの作品も、全国を暖かい涙で包む名作になると思います。“言葉”は伝えるためにあるものだと思います。この映画を観て少しでも心を開いていただいて、言葉を伝える勇気をもってくれたら嬉しいなと思います」とコメントを寄せた。


☆吉田羊インタビュー

質問:本作のお話が来た時の感想を教えてください。
吉田:アニメーションへのアフレコに正直憧れていたので、今回お話しをいただいたとき嬉しかったですね。それが真っ先に、率直に感じた感想です。本作は、大ヒット作『あの花』のスタッフが再びタッグを組み作られる作品ということで、これは間違いなく、再び全国を暖かい涙で包む名作になるではないかと思いました。そういう作品の“住人”として起用していただいて感謝しております。

質問:脚本を読んでの感想を教えてください。
吉田:主人公が高校生であるにも関わらず、自分の事として身近に共感することができたんですね。それは、思春期特有の言葉にならないもどかしさですとか、言葉選びを間違って人を傷つけてしまったり、それによってまた自分が傷ついたり、そういう景色が、大人である私の中にもきっとあるからだったんだろうなと思いました。ですので、幅広い世代の方に楽しんでいただけるのではないかと思います。

質問:ご自身の高校時代はどんな感じでしたか?
吉田:この4人の中には、間違いなく入ってなかったですね!本当に地味な高校生でしたので(笑)。一回だけ高校3年生のときに体育祭の応援団長をやったことがあるという、ちょっとだけ輝かしい歴史がありますが、それ以外は地味で。。成績も中の中でした。普通の平凡な女子高生でしたので、こういう風に委員を任せられたり誰かの先に立って仕事をしたりしなかったので、この4人を正直ちょっと羨ましいなと思って見ていました。

質問:順の母親というキャラクター役について。演じる上で気を付けたこと。
吉田:主人公の順が言葉を失う大きなきっかけを作った人物ではあるなと思います。その彼女が言葉を失ったこと、喋れないことを心配しながらも、距離が縮まないことがもどかしくって、実はこのお母さんもまた心に秘めた言葉をうまく出せずにいる一人なのかなと読みました。順にかける言葉は大体きつい言葉が多いのですが、それは愛情の裏返しなのだと思っておりました。本当は順をとても愛していて、距離を縮めたいと思っている気
持ちはぶれずにいたいと思っておりました。

質問:初挑戦のアフレコについて
吉田:すごく難しかったです!事前に絵だけのVTRをみたんですけど、あれ、これ壊れてるのかな? と音量を最大にしたくらい訳がわからず、そうか声が入っていないのかと気づき、次には画面に役名が出てきて点滅していて、これはなんだろうと思って途中まで見ていたら、これが私のしゃべるタイミングなんだとわかりました。それぐらい勝手がわからない新しい世界でした。声だけで感情を表現するという作業が、見てると簡単そうに見えても、やってみるとすごくそれが難しくって私にとってはすごくいい経験となりました。

質問:実写とアニメーションの演出の違い
吉田:リアクションと言われる演出が難しかったです。『ふり向き』とか『曖昧な挨拶』などです。普通に生きてたら、ふり向きで“はっ”とか言わないじゃないですか。でもそれをあえて音にすることで振り向いたという事をわからせる。振り向く瞬間にその人がどういう思いでいるのかをわからせるという作業がすごく新鮮でした。

質問:アフレコは慣れましたか?
吉田:いやいや!とんでもないです!すごく難しいです。もちろんまた機会を頂ければ、挑戦したいと思いますが、今回、順役の水瀬さんと掛け合いをやらせていただきましたが、やはりプロの声優さんというのはすごいなと感じました。

質問:観客へのメッセージ
吉田:あの日言えなかった言葉、言い残したことは大なり小なりみなさんの心にあるんじゃないでしょうか。言葉は伝えてこそ、伝えなければそれは思ってないのと同じ事。映画をみて少しでも心を開いていただいて、言葉を伝える勇気を持ってくれたら嬉しいなと思います。ぜひ劇場でご覧ください。お待ちしております。


☆ストーリー

幼い頃、何気なく発した言葉によって、家族がバラバラになってしまった少女・成瀬順。そして突然現れた“玉子の妖精”に、二度と人を傷つけないようお喋りを封印され、言葉を発するとお腹が痛くなるという呪いをかけられる。それ以来トラウマを抱え、心も閉ざし、唯一のコミュニケーション手段は、携帯メールのみとなってしまった。

高校2年生になった順はある日、担任から「地域ふれあい交流会」の実行委員に任命される。一緒に任命されたのは、全く接点のない3人のクラスメイト。本音を言わない、やる気のない少年・坂上拓実、甲子園を期待されながらヒジの故障で挫折した元エース・田崎大樹、恋に悩むチアリーダー部の優等生・仁藤菜月。彼らもそれぞれ心に傷を持っていた。

担任の思惑によって、交流会の出し物はミュージカルに決定するが、クラスの誰も乗り気ではない様子。しかし拓実だけは、「もしかして歌いたかったりする?」と順の気持ちに気づいていたが、順は言い出せずにいた。そして、だんまり女にミュージカルなんて出来るはずがないと、揉める仲間たち。自分のせいで揉めてしまう姿を見て順は思わず「わたしは歌うよ!」と声に出していた。そして、発表会当日、心に閉じ込めた“伝えたかった本当の気持ち”を歌うと決めたはずの順だったが…。

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