集中力UP“聞き書き”の大切さ、東進ハイスクールの人気講師が解説。

2015/07/01 10:30 Written by Narinari.com編集部

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累計340万本を売り上げている「鉛筆シャープ」シリーズ史上、最も「日常の学習に適した」シャープペンシルとして、さらさら書ける0.7ミリの“ちょい太芯”タイプを7月1日に発売したコクヨS&Tは7月1日、筆記行動が学力に与える影響を探るべく、現役の高校生200人と中学生200人の計400人を対象に実施した「筆記と学力に関するアンケート調査」の結果を発表した。

調査ではまず、「勉強が得意かどうか」について質問。「得意」と感じている人は50.5%、「苦手」と感じている人は49.5%となり、ほぼ半数に分かれた。そして「筆記スピード」についてたずねると、勉強が得意な生徒の59.4%が「速いと思う」と回答したのに対し、勉強が苦手な生徒の54.5%は「遅いと思う」と回答した。この結果から、勉強が得意な生徒は筆記スピードが速く、勉強が苦手な生徒は筆記スピードが遅い傾向にあるという「学力と筆記スピードの相関性」がうかがえる。

次に、授業中のノートの取り方について聞くと、勉強が得意な生徒の52.0%が「板書の内容を書きながら、先生の話も気になったらメモする」ことを習慣的に行っているということがわかった。これは、勉強が苦手な生徒における同項目の出現割合37.9%に対し、1.4倍多い。

さらに、この1年で「聞き書き」を行うようになった生徒は400人中123人に。そのうちの78.9%もの生徒が、1年前と比べ成績の“伸び”を実感しているという結果も明らかになった。

これらの調査結果より、耳で聞いたことを書き留める「聞き書き」習慣が学力アップに貢献しているという可能性が考えられそうだ。

そしてシャープペンシルを使っている中高生394人に、「シャープペンシルに最も求める機能は何か」を問うと、78.2%の人が「書き心地」と回答。一方で、「筆記スピードが落ちてしまう要因」に関して中高生394人にたずねたところ、1位に「手の疲れ」(65.0%)、2位に「芯が折れたとき」(47.5%)がランクインしており、「書き心地がよくて、手が疲れにくく、芯が折れにくい」シャープペンシルを準備することが、学習向きであると言うことができそうだ。

こうした調査の結果を、東進ハイスクールの人気英語講師・今井宏氏が、“学習の現場”の視点で解説してくれた。

今井氏によると「勉強が得意な生徒の59.4%が『筆記スピードが速い』と感じていること。また、勉強が得意な生徒の半数が、授業中に板書を写すだけでなく、耳で聞いた情報もメモしていること。これらの結果から見える勉強が得意な生徒の傾向は、私が教えている生徒たちにも当てはまっていると感じている」と、今回の結果は実際に感じるところがあるそう。

そして「生徒が授業中の板書を写すのは、もちろん当たり前である。予備校講師の板書は、多くの場合驚くほどキレイに整理されている。『書き写せ』と命令されてイヤイヤ書き写すのではなくて、書き写さずに放置するのがもったいなくなるような板書がほとんどだ。しかし板書をただ写しているだけでは、生徒はヒマでたまらない。それどころか、今ある板書から次の板書までの間の時間、手をこまねいて講師を眺めているだけの無表情な生徒は、精神も弛緩するばかりである。もっとバリバリ文字を書きまくることができれば、集中力がグングンついてくるはずだ。その方法の1つが、『耳で聞いたことをメモすること』である」と、板書だけでなく、“聞き書き”の大切さを説いた。

具体的には「講師が板書しないことでも、『面白いな』と思ったらすぐにメモをとる。情報は板書されたことだけではない。いま空中を重要な情報が音声として漂っているのである。ノートの左側のページは板書を写すスペース、右側のページはメモをとるスペースにして、(1)講師の話のエッセンスと、(2)自分の脳裏をよぎった感想や意見を、スピーディに書き込んでいけばいい。講師が優秀であればあるほど、音声情報も濃厚・濃密であって、教室内はほとんど音声情報の飽和状態であると言っていい。そのときに生徒は、飽和してポタポタ水滴になって落ちてくる情報を、耳で聞きとり、脳のロートで受け止める。そして受け止めた情報を脳で濾過し、一滴一滴のエッセンスを直ちに文字にしてノートの右ページに書きとめる。そうすることで集中力も持続し、学力向上につながっていくのである」と続けた。

さらに「学力の高い生徒の多くは、筆記スピードが速く、音声情報を積極的にメモしまくる傾向が高い。みんなもっと攻撃的に、『書きまくれ、メモをとりまくれ』→『そうすればきっと成績が急上昇する』と考えるべきだと考える。東進に通っていたある女子生徒がたった半年で偏差値25の急上昇を成し遂げたエピソードがある。それまで授業中も無表情、何の感動もなしに講師を眺めているだけだった彼女が、『雑談でもいいからメモをとる』と決意して実践し、半年間、目で見たことも耳で聞いたことも書きまくった。その成果は半年でハッキリ現れた。そのとき、英語力に少し自信のある人は『メモは英語で』にチャレンジしてみるのもいい。板書を写すにはもちろん日本語が便利だろうが、音声情報のメモと、感じたことや考えたことのメモのほうは『すべて英語で』と決めてしまえば、メモはますますクリエイティブになり、英会話と英作文の能力向上に大きく寄与することは言うまでもない」と学生にアドバイスを贈った。



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