筋肉少女帯人間椅子が初ライブ、ついに“地獄の扉”開き熱気ムンムン。

2015/06/08 13:59 Written by Narinari.com編集部

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地獄の扉がついに開いた。筋肉少女帯人間椅子、筋肉少女帯、人間椅子の3バンドが6月7日、東京・渋谷公会堂公演を開催した。5月13日にリリースされたコラボシングル「地獄のアロハ」が話題の“新人バンド”筋肉少女帯人間椅子にとっては、初のライブ。ソールドアウト状態の会場は、開演前からただならぬ熱気に包まれていた。

先陣を切って登場したのは、人間椅子。地鳴りのような歓声が響くなか、まずは「新調きゅらきゅきゅ節」でオーディエンスの心をつかむ。和嶋慎治(G,Vo)、鈴木研一(B,Vo)、ナカジマノブ(Ds,Vo)の3人が織り成す演奏は今宵も重厚感たっぷり。観客は彼らの絶妙のハーモニーに酔いしれた。

「今日は人間椅子と筋肉少女帯のコラボレーションですよ! 言ってみれば、サブカルチャーの祭典! アンダーグラウンドのお祭りです!」と客席に語りかける和嶋。筋肉少女帯の「少年、グリグリメガネを拾う」を人間椅子Versionで披露し、この3人だからこそ出せる至高のグルーヴを場内に放っていた。

立て続けに演奏されるへヴィな曲の数々に、観客は熱狂。「蜘蛛の糸」「人面瘡」「針の山」とロックのダイナミズムがふんだんに感じられる曲で畳みかけて、人間椅子はステージを去った。

興奮冷めやらぬなか、続いてステージに現れたのは、筋肉少女帯。1曲目の「サンフランシスコ」からオーディエンスは気合十分。人間椅子の熱を受けて、大槻ケンヂ(Vo)が「お前ら、もう、でき上がってるじゃないか!」と叫ぶと、幸せそうに笑顔で応える観客たち。続けて演奏された筋肉少女帯Versionの人間椅子「ダイナマイト」で場内はさらなる盛り上がりをみせる。大槻のヴォーカルを中心に、橘高文彦(G)、本城聡章(G)、内田雄一郎(B)の華やかなコンビネーションが炸裂するこのナンバーもまた、原曲の魅力をさらに引き出していた。筋肉少女帯と人間椅子がお互いの曲をカバーすることによって際立ったのは、両者のアレンジセンスと演奏力の高さだ。

観客にとって大きなサプライズだったのは、8月5日にリリースされるニューシングル「混ぜるな危険」が初披露されたこと。思わず体を揺らしたくなるような筋少らしさ全開のこの曲を皮切りに、「労働讃歌」「踊るダメ人間」「イワンのばか」といったキラーチューンが次々と奏でられ、会場には大きな一体感が生まれた。

筋肉少女帯の華麗にしてハードな余韻が残るなか、オーディエンスは筋肉少女帯人間椅子の登場を今か今かと待ちわびる。ここからが本番だ。橘高文彦がヴォーカル、内田雄一郎がギターを務める“ブラック菩薩”に人間椅子の3人が加わる編成でBLACK SABBATHの「IRON MAN」、人間椅子に大槻ケンヂが加わって「日本の米」、さらに本城聡章を加えての「君は千手観音」など、この夜にしか味わえない特別な趣向を目の当たりにした客席からは大歓声が飛んでいた。

KISSの「DETROIT ROCK CITY」を奏でる直前にジーン・シモンズばりに血糊を垂らすダブル・ベーシスト、鈴木研一と内田雄一郎の姿を見て、大人の本気の遊び心に胸を熱くした者は多かったにちがいない。祝祭感たっぷりのさまざまな編成が、おおいに観客を沸かせていた。

そしていよいよ、“新人バンド”筋肉少女帯人間椅子がステージに降り立つ時がやって来た。7名の個性豊かなメンバーがズラリと並ぶさまは、圧巻。気心の知れた仲間とともに奏でる喜びがひしひしと伝わってくる。“プロの軽音”の迫力を目の前にして、渋谷公会堂に集ったオーディエンスは、満面の笑みを浮かべていた。本編で「地獄のアロハ(通常版)」を披露、最後の最後のアンコールで、「地獄のアロハ(Heavenly version)」をするなど、彼らの実力がひしひしと感じられる、極上のコラボレーションだった。

超満員の会場を最初から最後まで楽しませた筋肉少女帯と人間椅子と筋肉少女帯人間椅子。その徹底的な姿勢が観る者に伝わってくる、後世に語り継がれるような公演だった。ロックのごった煮感をたっぷりと味わうことのできる、珠玉のライブは大盛況のうちに幕を閉じた。

なお、筋肉少女帯は7月よりスタートするTVアニメ「うしおととら」のオープニングテーマにもなっているシングル「混ぜるな危険」を8月5日にリリース。一方の人間椅子は7月1日に、1月の渋谷公会堂ワンマンライブの模様を収めたDVD/Blu-ray「苦しみも喜びも夢なればこそ『現世は夢〜バンド生活二十五年〜』渋谷公会堂公演」をリリースする。(Text by 志村つくね)



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