ミステリーサークルを作るフグ、日本初「2015年世界の新種トップ10」入り。

2015/05/22 05:33 Written by Narinari.com編集部

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シュプリンガー・ジャパンは5月21日、日本魚類学会英文誌「Ichthyological Research」に掲載された、新種の「Torquigener albomaculosus(アマミホシゾラフグ)」が、国際生物種探査研究所(IISE)により「2015年世界の新種トップ10」の1つに選ばれたと発表した。日本から報告された新種が選ばれたのは、今回が初めてだという。

琉球列島北部の海底の砂地で1995年以降、ダイバーたちによって美しく神秘的なミステリーサークルが目撃されていた。2011年にプロ水中写真家の大方洋二氏が、このミステリーサークルがフグによって作られていることを発見。その後、東京国立科学博物館の松浦啓一博士がこのフグが他のフグ類と形態的に明瞭に異なることを発見し、2014年に新種として命名・記載した。この新種のフグは、魚類全体においても、産卵巣として幾何学的な円形を作り出すという点で珍しく、このような複雑な産卵巣を作る魚類は他には存在していない。

「Ichthyological Research」誌編集委員長の今村央博士は、今回の選出について次のようにコメントをしている。

「松浦啓一博士のフグの新種が『2015年の新種トップ10』に選ばれ、編集委員長として大変うれしく思います。松浦氏の論文は、原稿受付からオンライン出版されるまで、2か月もかかりませんでした。このことは、この論文が投稿前にすでに十分に洗練されたものとなっていたことを示しています。これは本論文の秀逸さを示すもう一つの側面と言えるでしょう」

IISEが発表する「世界の新種トップ10」は、分類学者および関連のある専門家で構成される国際委員会によって選定され、前年度に命名された約2万種類もの生物の新種の中から選ばれる。

トップ10リストは毎年、カール・リンネの誕生日である5月23日前後に発表。リンネは「分類学の父」として知られ、18世紀中期の彼の研究成果は植物および動物に関する現代の命名法および分類法の起源となっている。

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