“生みの親”がパックマン語る、映画「ピクセル」の本編にも出演。

2015/05/19 08:14 Written by Narinari.com編集部

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“パックマンの生みの親”として知られる、ゲームクリエイターの岩谷徹氏(現・東京工芸大学教授)が5月18日、「ハリー・ポッター」シリーズのクリス・コロンバス監督が手掛けるSFエンタテインメント大作映画「ピクセル」特別連続企画の第1弾として、ミニ会見を実施した。

この日、フッテージ上映が終わると、岩谷教授は開口一番「パックマンは悪者ではありませんからね(笑)」。これは特別上映された8分23秒の新フッテージの中で、パックマンが街を襲っているのをみた“プロフェッサー イワタニ”が「我が息子よ」と優しく話しかけるも、手を食べられてしまうシーンについてのコメントだ。フッテージは、“なぜ80年代ゲームキャラクターが地球を襲撃してくるのか”が予測され、ゲームオタクたちが奮闘する姿も見られる内容となっている。

本作にて、岩谷教授の役“プロフェッサー イワタニ”を演じたのは、デニス・アキヤマ。岩谷教授がハリウッドに写真を送り、オーディションを行ってキャスティングされた。昨年、撮影現場となったカナダのトロントを訪れた際、初対面して食事をしたそうで「本当にそっくりでびっくりしました」と笑いを誘った。ちなみに岩谷教授自身も、アーケード・ゲームを修理する役柄で本編に登場している。

現場では、クリス・コロンバス監督や主演を演じているアダム・サンドラーとも対面を果たした。アダム・サンドラーは「非常に豪快な人で、会うたびにイワタニ!と大声で言いながらと肩をバーン!と叩かれていた」と笑い、日本語が堪能なミシェル・モナハンに関しては「綺麗な女優さんな上に、日本語が話せるなんて。赤面しながら会話をしました」という可愛らしいエピソードも。「プロフェッサー イワタニに会えたことが最もうれしかった」という制作スタッフたちのエピソードも紹介された。

パックマンのゲームコンセプトについて聞かれると「当時、まだ家庭用のファミリーコンピューターが1983年に出る前で、ゲームをするには、ゲームセンターに行かなければならなかったんですね。ゲームセンターはエイリアンをやっつけろ!といった感じの、男の遊び場で汚い・臭い・暗いイメージがありました。そういった状態から明るく綺麗にし、女性やカップルが遊べるゲームを作ろうということで、食べるという比較的明るいテーマを考え出し、また、敵ながらも憎めないキャラクターとしてパックマンが生まれました」と振り返る。

キャラクター設定に関しては「オリジナルのパックマンは、目玉のない黄色のシンボリックな感じで、シャイな奴です。悪いものはなんでも食べる。例えば、警察官が持っている拳銃は悪いということで、拳銃も食べちゃう。核弾頭も食べちゃうというようなイメージで当時は設定していました」とコメント。また、「人に優しいゲームをいかしにてつくるか」を重要視し、人間だけは食べないというコンセプトを持っていると説明した。そのほか、本作に登場するドンキーコング、ギャラガ、センチピードなとのキャラクターについても触れ、それらキャラクターのゲーム会社は違えども、クリエイター間では常に交流があったという。

パックマンは悪者ではないと岩谷教授は言う。「アメリカでは、パックマンは正義の味方と強く思っていただいている。20年程前にはキャラクターを使ったカジノのマシーンを作るという話がありました。しかし、アメリカの州の方でパックマンは子どもたちの味方なんだから、カジノに使ってはだめだと意見が出て、逆に示唆を与えられたことがありました。そして、パックマンは子どもたちの仲間として定着しました」と世界中から愛されるパックマンについて語った。

本作にて、パックマンが人類の敵になると聞いたときの心境を尋ねられると「クリエイティブな部分には介入しない、残虐なシーンがなければ良いですよと監督にお任せしました」と答え、映画になるということをパックマン開発当時に想像していたかと聞かれると「1ミリもないですね(笑)。当時はゲームの表現が3Dになるということも考えられなかった」とのこと。

本作の魅力に関しては「ニューヨークのストリートをドリフトして曲がっていくところなんてすばらしいですよね」と話し、「3Dで見ると凄いと監督から直接聞いています。是非、3Dで見てほしい!」と自身も3D映像のクオリティーの高さに期待していると語った。

なお、5月22日はパックマンの誕生日で、日本では5月21日に前夜祭となる盛大なイベントを実施予定。世界各国で誕生日を祝われてきたパックマンだが、今年は岩谷教授が総合プロデュースし、東京タワーでイベントを行うことが発表された。しかも、ギネスに挑戦するという。そして豪華声優陣も解禁となる予定だ。


☆映画「ピクセル」ストーリー

今から30数年前、NASAが宇宙人との交流を夢見て“人間”を…“地球”を…深く知ってもらうための紹介映像を宇宙に向けて発信、その中には 当時大流行していたゲームの映像も送られた。

ところが受信した宇宙人は、それを友好のメッセージではなく、挑戦状ととってしまったから、さあ大変。彼らは地球が発信したゲームキャラクターに扮し、現代の地球を侵略しにやってきたのだ。

巨大ギャラガがワシントンDCの空に現れ、ニューヨークではパックマンが大暴れ。夜空にうごめく大量のセンチピードを捕えようと、アメリカ軍隊と必死の銃撃戦を繰り広げるが、全く歯が立たない。なぜなら彼らは触れたもの、攻撃したものすべてを カクカクとブロック状に、ピクセル化させる“すご技”を持っていた。

しかし、そんな彼らの弱点を見抜いた男たちが現れる。彼らは80年代当時、ゲームチャンピオンの名をほしいままにしていたにも関わらず、今は“ただの大人……”になってしまった 最強の元ゲームオタクたち。

果たして彼らは、バクバクと街を食べまくるパックマンの暴走を止めることができるのか? ドンキーコングから次々と放たれる“樽”攻撃をかわし、ゲームクリアできるのか?それとも人類は全滅してしまうのか――。

映画「ピクセル」は9月19日より、丸の内ピカデリーほか全国ロードショー。

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