友から遺された友情の“酒代”、遺志汲み愛すべき男へジョッキ掲げる。

2015/05/15 18:40 Written by Narinari.com編集部

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ロジャー・ブラウンさんが亡くなった時、40年以上の付き合いだった友人たちは大きな悲しみと衝撃を受けた。エンジニアとして働きながら、馴染みのパブで友人たちと交友を深め、よく皆で旅行に出かけたという。前立腺がんと診断されてから2年間にわたって病と闘い、67歳で亡くなった。

葬儀後、ロジャーさんの息子が遺言を伝えに友人たちの元へと現れる。その申し出は彼らを驚かせるものだった。友人のリーズさんは語る。

「ロジャーが亡くなった時、彼の性格からして我々の行きつけのパブに酒代を遺していくと思っていたのだが、そうしていないことを奇妙に思ったよ。ところが葬儀の4日後に彼の息子がやってきて、我々のために3,500ポンド(約65万円)を遺すから、このお金でどこかの街に出かけて楽しんできてくれ、というんだ。全く驚きだよ」

友人一同は皆でロジャーさんの遺志を継ぐために何度も会議と酒杯を重ね、最終的にベルリンへと旅立つことに。

「ロジャーの息子には全員で謝罪したよ。彼らが受け取るべきお金がビール代に消えてしまうことにね。でも彼らは笑って許してくれたんだ」

皆で出かけたベルリンで、彼らは当然のようにビールを飲みまくった。バーで。カフェで。川下りの船で。川辺で。全ての酒席で全員が愛すべき友のためにジョッキを掲げた。

「ロジャーは愉快で行動的なやつだった。海外にもよく出かけていたし、ベルリンという場所はあいつもそれほど文句は言わないだろう。我々が街のあちこちで酒を楽しんでいるのを見てきっと喜んでくれていると思う。天気にも恵まれて笑いの絶えない本当に楽しい旅だった」

この友情の話が地元紙に取り上げられると、英紙デイリー・メールや英放送局BBCなども発信。読者からは「なんていい追悼なんだ」「ロジャーよ、安らかに」「思い出に残る酒だったろう。すてきな遺産じゃないか」とほのぼのした感想が多く寄せられているようだ。

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