この春、吹奏楽部員が待ち望んだあの小説・マンガ「響け！ユーフォニアム」が京都アニメーションによってアニメ化され、4月7日よりTOKYO MXほか5局ネットで放映を開始した。しかし、吹奏楽経験のない人にとっては、タイトルにもなっている「ユーフォニアム」は、あまり聞き慣れない横文字。「ユーフォニアム」とはトランペットやホルンなどの仲間で、金管楽器の名前だが、いったいどのような楽器なのだろうか。

金管楽器の一種「ユーフォニアム」は、真鍮（ブラス）を使用しており、唇を震わせて音を鳴らすことを特徴としている。「金管楽器だけでオーケストラの曲を演奏することができる」ようにと、弦楽器で言うところの「チェロ」の音域を担当するために、発明された。

その始まりは、サックスの発明者であるアドルフ・サックスが、1840年頃にパリで制作した金管楽器が英国で改良され、完成されたと言われており、日本には約145年前にやってきた。管楽器の中では比較的新しい楽器だ。

そんな「ユーフォニアム」について、ほかの数々の疑問に、全国38都道府県153拠点に展開している「島村楽器」の音楽教室に勤める、ユーフォニアム科講師・根本香織さんが答えてくれた。

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Q.ユーフォニアムって、どんな楽器なんですか？

A.音の鳴る仕組みはみんなが知ってる「トランペット」や「ホルン」と同じく唇を震わせて音を鳴らします。ピストンやロータリーは付いていませんが、トロンボーンも同じ仕組みです。それらに比べると管がくるくると巻いて、ベルが上を向いています。見た目の特徴は白菜みたいですね（笑）。一度見たら忘れられない形をしていると思います。抱きかかえるような形で演奏をするのですが、それにちょうどよい大きさなんですよ。あとは、同じ「ユーフォニアム」でも大きく分けると「3本ピストン」のものと「4本ピストン」のものがあります。3本よりも4本の方が広い音域が広くなり、楽器自体の重さも少し重くなりますね。

Q.オーケストラや吹奏楽など、どのような場面で使われることが多いですか？

A.オーケストラには残念ながら、基本的な編成にはありません。たまに出てきたと思ったときはソロで使用することが多いですね。ホルストの「惑星」などが代表的な例と言えます。吹奏楽では、いわゆる「便利屋さん」の役割です。つまり、メロディー、伴奏、対旋律などなんでもこなします。ですので、吹奏楽をやっていた人には「なんでもできて羨ましい」と憧れの的になることがありますね。


Q.それは気になります。ユーフォニアムって、どんな音がするんですか？

A.ユーフォニアムという言葉が、ギリシャ語で「よく響く」や「心地良い」というような意味の単語「ユーフォニア（euphonia）」をもじったものと言われています。ですので、その名の通り柔らかくて良く響く音がします。柔らかいだけでなく、金管楽器らしくキラキラした華やかな音出るので表現の幅は非常に広いです。音が一番の魅力だと思います。

Q.聴いてみたいですね！どのようなジャンルの音楽に合いますか？

A.表現の幅が広いのでどんな音楽にでも合います。柔らかい音色でクラシックでしっとり聴かせるのも良いですし、キラキラした音色なのでジャズやポップスなどの明るい音楽にも良く合います。好きな音楽ジャンルから始めることができますよ。


Q.好きな音楽が演奏できるなら、少しユーフォニアムを吹いてみたくなりました。

A.楽しいですよ！しかも、とっても音が出しやすく、演奏がしやすいことも大きな魅力です。マウスピースが大きすぎず、小さすぎないので、唇をぶるぶる震わせることができれば簡単に音が出ます。ですので、曲を吹くことに早く取りかかることができますね。「音が出ない…」と悩む期間はほとんどありません。実際にレッスンを受けている生徒さんから「すぐに音が出て嬉しかった！」との声もいただいています。


Q.実際にレッスンを受けている生徒さんは、どのような方が多いですか？

A.学生さんはもちろん、大人の方も非常に多いです。始めは「この楽器なんだろう」と興味を持つことから始まって、ユーフォニアムを好きになって「もっと上手になりたい！」って思っていただく方がほとんどです。「学生の頃はサックスをやっていたけれど、ずっとユーフォニアムが気になっていた」という吹奏楽経験者の方もいらっしゃいます。


Q.それでは、ユーフォニアムに興味を持った方に一言お願いいたします。

A.ユーフォニアムは、音が出しやすく、様々なジャンルの音楽の演奏を楽しんでいただくことができます。聞いたことがない、見たことがないという方も一度楽器を吹いてみると虜になりますよ！ぜひ、私と一緒にユーフォニアムを吹いてみませんか？