不妊に悩み、治療を受けていた中国のある夫婦が、ストレスから解放されるために違法￥・薬物に手を出し、逮捕される出来事があった。皮肉にも、警察から指示された健康診断で、夫婦が待ち望んでいた赤ちゃんを授かっていることが判明したという。

中国メディア揚子晩報などによると、3月下旬のある朝、警察官がパトロールをしていたところ、道ばたに座り込む男女を目撃した。2人の顔はともにやつれており、パトカーを見ると姿を隠すような怪しい振る舞いをしたことから、警察官は近づいて職務質問。すると、しばらくして薬物を摂取していることを自白した。

ひとまず警察官はパトカーに乗せて派出所へ。そして尿検査を実施したところ、確かに2人とも陽性反応が現れた。

調べで判明したのは、この男女は20代の夫婦。仕事が安定せず、子どもがいつまで経ってもできないことに悩み続けており、気付けばその現実から逃避するように薬物に手を出してしまったという。とは言え、薬物に手を出したことは事実。2人には行政拘留処分が下されることになった。

しかし、その後、夫婦には何とも皮肉な結果が待ち受けていた。と言うのも、留置所に拘留する前の健康診断で女の妊娠が発覚したからだ。この事実を知らされた女は最初こそ疑っていたものの、実際に診断書を見せられると驚愕。「子どもができないから麻薬を吸ったのに、なんで妊娠するの？　妊娠していることがわかっていたら薬物なんかやらなかったわ！」とたいそう後悔したという。

なお、女は妊娠の事実により、行政拘留だけは免れることになったが（※「中華人民共和国治安管理処罰法」に定められている）、今後どのような処罰が下されるかはまだ明らかになっていない。