ピース又吉小説の映画化ある? さんまは「オーディション受けに行く」。

2015/03/13 07:12 Written by Narinari.com編集部

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お笑いコンビ・ピースの又吉直樹(34歳)が3月12日、自身初の長編小説となる著書「火花」の刊行記念サイン本お渡し会を開催。「初めての小説が書店に並んで嬉しい」としみじみ喜びを語った。

「火花」は、想像の範疇を超えた天才的な笑いのセンスを持ちながら不器用な性格に人間味が溢れる神谷と、彼を師と慕って交流を深める後輩・徳永という、お笑い芸人2人の物語。笑いについて真剣に語り合いながら、それぞれの信じる芸人道を突き進んでいくが……。今年1月、文芸誌「文學界」2月号での発表が話題を呼び、このたび単行本化、初版15万部と事前重版3万部合わせて累計部数25万部が発刊されている。

この数字に又吉は「すごいっすね。びっくりしました」と、まるで他人事のように返答。小説を書くきっかけとして「本が好きだと公言していて(書かないかという)お話もいただいてたんですけど、なかなか自信がないというか。僕でええんかなと思っていたんですけど、昨年の夏、急に人知れずテンションが上がりまして、書こうかなと思いました」と説明。芸人としての仕事が終わったあと、机に向かって執筆に勤しんでいたようで、「初めて長いもんを書いたんでどうなるかと思いましたけど、いいものができたと思います」と控えめな言葉ながら、手応えを感じているようだ。

書き上げた時は「信じられへんくらい嬉しかった」そう。「中学生の頃から本が好きで、18歳の時に小説を書きかけたことがあるんです。頭で想像したらものすごいのが浮かんできて、『壮大な話になりそうや』と思って実際に書いてみたら、10枚しか書けなかった。小説を書くのは難しいんやなと。1行目ってどう書くんやろう?とか、カギカッコのあとどうつなげるんやろうと思いながら読んでいたら、本の面白さに気付いた。で、最後まで物語を書き上げられる作家さんはすごいなと思ったんです」と語る。

これまでエッセイや自由律俳句の書籍を刊行している又吉だが、実際、小説を書くのはほかとは違ったようで、「考え込んだりはないんですけど、ブラインドタッチができなくて(文字を打ち込むのが)遅いのもあるのか、ものすごい書けたなと思っても3枚くらい。書けた時でも1日8枚くらいだった」そう。

リポーターに「手書きにすれば良かったんじゃ?」と訊かれると、「そういう発想はなかった。最初、パソコンで書き始めたのに、途中から手書きになったら怪しまれそうじゃないですか。後半、誰が書いてんねんってなりますよ」と返答。すると、乗っかるように「本当に又吉さんが書いたんですか?」との質問も飛び出し、「僕がちゃんと書いてます」と笑いながら答える一幕もあった。

芸人をテーマとした物語ということで「モデルになった人はいるんですか?」と訊ねられるも、「具体的にこの人というのはいない」と返答。「芸歴16年目で、今、後輩2人と3人で住んでいるんですけど、日常において先輩と後輩の関係性って変やなと思った(ことから、このような題材になった)。デビューした頃からお世話になっている、いろんな先輩の面影が入ってるかもしれない」と加える。

「こんなに注目されると、相方の綾部さんが嫉妬するんじゃ?」との質問には、「綾部って嫉妬の観念がないんですよ」ときっぱり否定。続けて「それより、自分のここに関わろうと綾部なりに考えているみたいです」と笑わせる。

綾部が本を読むのが苦手というのは、又吉が著書刊行記念会見で毎度口にしていることだが、「今回は読む」と言っているとか。また、母親から「“花火”読んだで」との連絡が来たそうだが、「敢えて訂正はしていない」とも報告した。

映画化について訊かれると「読んでもらったらわかると思うんですけど、難しい部分がある」と答えながら、「後輩みんなで明石家さんまさんにご飯に連れて行ってもらった時に『お前の小説、話題になってるらしいな。主役のオーディション受けに行くわ』と言われました。『そんな話はないですし、登場人物の20歳から10年の話なんで、さんまさんは難しいと思います』と説明したんですけど、『イケる! イケる!』って言ってました」とのこと。「じゃあ、綾部さんに演じてもらうとか?」との提案には、「常々ハリウッド目指してるって公言してますから、お願いしても出てくれないんじゃないですか」と答えた。

発刊日にはジューシーズ・児玉智洋と仲のいい構成作家と3人で書店まで観に行ったそうだが、入る間際に怖くなり、児玉に「先に観てきて」とお願いしたとのこと。「ちゃんとありましたよ、と言われて、ちょっとだけ観に行った」と言いつつ、「初めて小説を書くことができて、その本が書店に並ぶのは嬉しい。ここ(紀伊國屋書店)にもしょっちゅう来てるので感動的です」としみじみ語った。

また、次回作については「考えてないです」と明言。「書いている時でも、(使っている時間は)24時間のうち5時間くらい。あとは、お笑いをやってますから。これからも変わらない」と、あくまでも芸人であることを静かに語りながら、「以前と変わらず、『本は読むもの』という気持ちのほうが強いので、これからも本を読み続けたいですね」と又吉らしく締めた。

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