極寒下で飛行機押す乗客たち「男は木植え、家建て、飛行機押すもんだ」。

2014/11/27 14:37 Written by Narinari.com編集部

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寒波の影響は多くの交通機関に影響を与えるものだが、零下52度のロシアの空港で起きた出来事がちょっとした話題を呼んでいる。

露紙シベリアン・タイムズによると、北極圏に位置し、街には永久凍土博物館があるというイガルカ市の空港で、UTエアー社の飛行機が70人の乗客を乗せて離陸の時を待っていた。しかし、この冬一番の寒さである零下52度のために飛行機のブレーキが動かなくなってしまったという。

どうなることかと訝しげな乗客たちに対して、ツポレフ134機の機長は、約30トンという大きさの飛行機を全員で押して欲しいと願い出た。乗客は石油や天然ガスの採掘をしている労働者たちであり、彼らは自分たちの家に帰るためにこの依頼を引き受けることにしたそうだ。  

「本当の男ってのは、木を植えて、家を建てて、飛行機を押すものなんだよ」

労働者の一人がそう語ったように、彼らは飛行機の主翼に手を掛け「今だ、押せ!」の号令に力を合わせる。すると凍っていたブレーキが動き、車輪が回り始め、飛行機が動き出した。凍結防止のための潤滑剤グリスがこの寒さに対応できるものではなかったことで起きてしまったトラブルとのことだが、結局のところ、この飛行機は乗客を乗せて飛び立つことに。

ソビエト連邦時代からの機体であり、その対応の仕方も「一方ソ連は……」という言い回しに通じる微笑ましさがあるせいか、ネットでは多くの反応があり、「これだからロシア人は好きなんだ」「運動で乗客の体も温まったことだろう」「動いたとはいえそんな整備の飛行機で空を飛ぶのは怖いなぁ」「動かして、そのまま離陸するのがロシア人の不屈さぶりだな」といったコメントが寄せられている。

なお、乗客が飛行機を押している様子を撮影した動画「Passengers pushing aircraft」(//www.youtube.com/watch?v=k0kSMnG6Lik)は、YouTubeで見ることができる。



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