土屋太鳳が悩み抜いた“人狼”、「たくさんの人に観てと言う自信ない」。

2014/07/19 04:38 Written by Narinari.com編集部

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ドラマ「鈴木先生」(テレビ東京系)で注目を集め、NHK連続テレビ小説「花子とアン」や映画「るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編」への出演でも話題を呼ぶ若手女優・土屋太鳳(つちやたお/19歳)。そんな彼女が、桜庭ななみ主演「人狼ゲーム」の続編となる「人狼ゲーム ビーストサイド」に主演していることがわかった。8月30日に劇場公開となる。

本作は「人狼」側の視点から描かれる続編で、メガホンを執るのは前作に続き、ベルリン国際映画祭 最優秀新人作品賞を日本人初受賞した熊坂出監督。土屋の共演には、ファッション雑誌「Seventeen」で専属モデルとして活躍しながらも、「渇き。」(2014年)で強烈なインパクトを残した森川葵や、「仮面ライダー電王」NEW電王に抜擢され、最近では、「弱くても勝てます」(日本テレビ系ドラマ)にも出演した桜田通。

そのほか、2013年ViVi専属モデルオーディションでグランプリを受賞した佐久間由衣や、2013年第26回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストにてグランプリを受賞した國島直希など、新世代キャストにより展開される決死の惨殺エンターテインメントが完成した。

本作について土屋は、「この作品の世界のどこにリアリティを感じたらいいのか分からなくて、迷いました」と悩みながら演じたことを吐露。そして「正直な気持ちをいうと、この作品を『たくさんの人に観ていただきたい』とは、今はまだ言う自信がありません」と、完成したいまとなっても、まだ自身の中で咀嚼できていないことを素直に明かしている。

しかし、そんな土屋について、監督は「座長、土屋太鳳は世界最強!」と絶賛。「10人のキャストと、日々アイデアを出し続けた全スタッフによる全員野球を是非ご堪能ください」と呼びかけている。

映画「人狼ゲーム ビーストサイド」は8月30日(土)、新宿武蔵野館ほかロードショー。

☆土屋太鳳のコメント

この作品の世界のどこにリアリティを感じたらいいのか分からなくて、迷いました。でもある時から、この作品は日常生活を凝縮した世界なんじゃないかと思ったんです。由佳たちは理由もわからず集められて一方的に指示されて、理解できても理解できなくてもゲームがどんどん進んでいって、生き残るために自分を見失うほど必死になってしまうけど、よく考えたら、学校とか会社もそういう部分があると思います。そして、自分が存在する環境が自分とすごく合わない場合は、環境が人を壊していってしまうことも、本当に悲しくて残念だけど、あると思うんです。

この作品の撮影自体も、ある日突然キャストが集められて役を割りふられて、それを必死で演じるっていう点では人狼ゲームそのものだと感じたので、ある意味すごくリアルではありました。だから、理不尽なものに巻き込まれていくと人はどうなってしまうのか、由佳として、ただ必死で生きることに集中しました。

キャストの皆さんは、どの人も本当に凄かったです。順撮りだったのでストーリーが進むとキャストがどんどん減ってしまって、あんなに賑やかだったのに…と胸が締め付けられそうに悲しかったし、口にする台詞も全部苦し過ぎたし、なんでこんなことになったんだろうと怒りを覚えながら突き進むしかなかった。それが人狼ゲームそのものだと分かっていても心は折れそうになるし、もうやめよう、とも思いました。

でもクランクアップまで由佳として生きることが出来たのは、このメンバーだったからだと思います。そして監督はじめスタッフの方々が、人狼の世界をつくり上げ、守ってくださったからこそ、このメンバーでこそ表現できた何かを掴むことが出来たと思います。全ての方々に、本当に感謝してます。

正直な気持ちをいうと、この作品を「たくさんの人に観ていただきたい」とは、今はまだ言う自信がありません。

なぜかというと、私は「これは取り返しのつかない悲劇だし、こうなっては絶対にいけないんだ」と強く思いながら演じたんです。ただ、その気持ちが伝わるためには私自身が本当に苦しまないと伝わらないと思ったので、正真正銘苦しんだんです。だから今はまだ、自分で映像を観る勇気がなくて…自分で観る勇気がないものを「ぜひ観て下さい!」とはいえないじゃないですか? それってプロとしては未熟過ぎというか、女優だって名乗る資格が無いとも思うけど…でも、はっきりお伝えしたいなと思うことはあるんです。

この作品に出会う人が、自分を本当に大切にするってどういうことなのか、本物の生きる実感ってどこにあるのかって感じたり考えてくれたらと心から願うし、生きてるといろんなことがあるとは思うけど、同じ時代をあがきながら皆で一緒に歩いていきたい、とお伝えしたいです。


☆熊坂出監督のコメント

不遜と思いつつ、この映画に関わる人たちすべてにとって代表作となるものを目指しました!

前作では、生き残るために他者を殺さなければならないという事に真っ正面から取り組み、結果として、ある種の深刻さが常に映画につきまといました。今作では、その深刻さに再び体当たりで挑みつつも、その深刻さを打破するようなエネルギーに満ちた映画にしたいと思い、撮影にのぞみました。

10人の俳優たちには、演じたりかっこつけたり何かのふりをしたり、前もって用意してきたものを出すことはやめてもらい、カメラの前で今のありのままの姿をさらけ出して欲しいとお願いしました。今振り返ると、非常に生(なま)で、連続した今、今、今の撮影現場だったと思います。ウェットな物語になることを恐れずに剥き出しで生抜いた10人のキャストと、日々アイデアを出し続けた全スタッフによる全員野球を是非ご堪能ください。観てくださった方の心に何かが残れば、これ程嬉しいことはありません。

最後に一言。座長、土屋太鳳は世界最強!


☆「人狼ゲーム ビーストサイド」ストーリー

あたし、樺山由佳は、2度目の殺戮ゲームの席に着いていた。参加者は10名。みんな突然この部屋に連れてこられた高校生たちだ。「人狼」のカードをあたえられたあたしは、村人たちをあざむき、ひとりずつ殺していかなくちゃならない。普通なら絶望するのかもしれないけど…あたしはむしろ興奮し、驚喜していた。なにせ、ずっと待ち望んでいた「非日常」を存分に楽しめるのだから!複数の「自称予言者」が現れ、共有者がほかの村人たちを扇動する。場が混迷を深める中、あたしはひとりほくそ笑み、さらなる血の味を求める…。

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