亡父の写真パネルと旅する女性、人生に疲れ果て思い切った行動に。

2014/06/20 09:36 Written by Narinari.com編集部

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何かとせわしない現代の世の中では、心の病気を患ってしまう人も少なくないが、改善させるためには何か前向きになるきっかけを見つけることも大事。25歳のある米国人女性は、最近さまざまなストレスが積み重なって、生きる気力が湧かなくなってしまったという。そこで彼女は、もう一度気力を取り戻すために仕事を辞め、物を売るなどしてお金を作ると、2年前に亡くなった父親の写真パネルを持って欧州を巡る旅行に出発。そんな彼女が、最近欧州各地で父親と並んで撮った写真をインターネット上で公開したところ、多くの人から注目を集めたそうだ。

米放送局FOX系列WZTVや英紙デイリー・メールなどによると、話題の写真を紹介しているのはニューヨークに住む25歳の女性、ジンナ・ヤンさん。彼女は2年前、当時51歳だった父親を胃がんで亡くしたことをきっかけにうつ状態となり、さらには仕事の忙しさや交際していた恋人に対する不満などが重なって、塞ぎこむようになったそうだ。やがて円形脱毛症も患うほどになり、「生きる気力を失った」彼女は、彼や親友たちとも交流を絶ったという。

しかしある日、目を覚ました瞬間に「人生をコントロールする術を取り戻そうと決めた」(ヤンさんのブログより)彼女。仕事を辞め、住んでいるアパートの更新もやめ、家にあったほとんどの物を売り払ってお金を用意すると、「アイスランド行きの片道切符」を購入した。そもそも、彼女が落ち込み始めた発端は父親の死去。それほど愛していた父親は、最後まで家族のためにバージニア州のクリーニング店で働き続ける毎日を送っていたそうで、「彼は周りのために自分の人生を犠牲にしていた」と彼女は言う。

そのため、生前「全く世界を旅する機会がなかった」父親との思い出を作って「自分自身に平穏をもたらしたい」と考えたヤンさんは、父親の姿に形作った“写真ボード”を手にアイスランドへ出発。同じように父の死に対する悲しみを拭いきれてなかった家族にも見せてあげようと、アイスランドやフランス、イタリアなどを周った彼女は、有名観光地で“父親”と並んで記念写真を撮影した。

その後ヤンさんは、自分が旅に出た経緯の説明や各地で撮った数々の写真を、父の日に合わせて6月14日から彼女のブログ内や画像共有サイトInstagramなどで紹介。すると、多くの欧米メディアが注目して彼女の話を取り上げ、大きな注目を集めるようになったそうだ。

天国にいるヤンさんの父親も、きっと彼女の行動を一緒に楽しんで見守っていたことだろうが、父との貴重な時間を過ごせたヤンさん自身もまた、今後の人生に立ち向かう前向きな気持ちを取り戻したに違いない。

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