“毎日10万食無料”舞台裏追う、インド黄金寺院の聖なるキッチン。

2014/06/15 09:48 Written by Narinari.com編集部

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2012年の東京国際映画祭、ナチュラルTIFF部門にてグランプリを受賞したドキュメンタリー映画「聖者からの食事」(原題/Himself He Cooks)が、「聖者たちの食卓」に改題し、9月下旬より東京・渋谷アップリンクほかでの公開が決定した。

本作は、人種も、階級も、宗教も関係なくお腹を満たすことが出来る、聖地インド“黄金寺院”の大きな団らんを体験するショートトリップ・ドキュメンタリー。

インドのシク教総本山にあたるハリマンディル・サーヒブ“黄金寺院”では、毎日5〜10万食が巡礼者や旅行者のために、すべて無料で提供されている。そこは宗教も人種も階級も職業も関係なく、皆が公平にお腹を満たすことができる「聖なる場所」だ。想像すらつかないたくさんの食事は、毎日どのように用意されているのだろうか。スクリーンに映し出されるのは、驚くべきキッチンの舞台裏と、それに関わる人々の一切無駄のない神々しい手さばき。もちろん、近代的な調理器具は使わず、すべてが手仕事で行われている。

監督は、自らも移動式キッチンのシェフとして腕をふるうベルギーのフィリップ・ウィチュスとヴァレリー・ベルトー夫妻。黄金寺院で何世紀にも渡って続く「聖なるキッチン」のコンセプトに感銘をうけ、映画の制作を決意した。

訪れた人々があらゆる差別や偏見を気にせず、同じ鍋のごはんをいただく“大きな団らん”と、それを支える人々の無償の労働。その姿はファストフードやコンビニ弁当による「ひとりご飯」が当たり前となってしまった私たちに、「食」という人の営みの原点を思い出させてくれる。インド黄金寺院に古くから伝わる食卓の風景を見れば、今夜の食卓は少し違って見えてくるかもしれない。

「聖者たちの食卓」は9月下旬より渋谷アップリンクほかで全国順次公開。

☆10万人の食卓 “ランガル(=無料食堂)”のルール

・寺院に入る前は、手を洗い、靴を預け、足を清める
・宗教、階級はもちろん、女性、男性、子どもがすべて一緒に座る
・ターバンまたは、タオルを着用(レンタル有)
・残さず全部食べること、お代わりは自由
・使った食器は指定の場所へ戻す
・酒、たばこ、革製品の持ち込みは禁止
・一度の食事を5,000人でとるので、譲りあいを忘れない

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