新喜劇すっちー新座長が口上、内場・辻本・小籔・川畑も揃い踏み。

2014/06/12 03:01 Written by Narinari.com編集部

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なにわのオバハンキャラ“すち子”でおなじみの吉本新喜劇・すっちーが、このたび新座長に就任することとなり、これを記念しての初座長公演が6月11日、なんばグランド花月にて開幕した。

「吉本新喜劇・すっちー座長昇格の口上を述べさせていただきます」との場内アナウンスに続き緞帳が上がると、すっちーを中央に、内場勝則、辻本茂雄、小籔千豊、川畑泰史の5座長が揃い踏み。内場は「吉本本社より、すっちーの座長昇格の通達を受けました私は、それを聞いたとき『イーーーッッ』と驚いたわけでございます」と自身のギャグを交えた口上を。さらに「本人のすっちーも…」(内場)、「イーーーーッ」(すっちー)、「楽屋の一同も…」(内場)、「イーーーーッ」(辻本、小籔、川畑)、「と、驚いたわけでございます」(内場)とチームプレーで笑わせる。

川畑は「すっちーは、非常に真面目で努力家。座員一同の人望も厚く、信頼もある素敵な男でございます。これからも新喜劇をもっともっと大きくして、お客さまに喜んでいただけるようなものを作っていってくれることと信じております」と新座長への期待を口にしつつ、「皆さま、今後ともこの川畑泰史をよろしくお願いいたします」としっかりボケて締めくくった。

「新喜劇は55年続いておりますが、これは皆さまが長きにわたってご愛顧くださったからこそ。それともうひとつ、先人たちの頑張りによってここまで盛り上がってきたのだと思っております」と語ったのは小籔。「座長の仕事は、ますますお客さまにご愛顧いただくよう頑張ること、そして次の世代にこの素晴らしい吉本新喜劇を伝えること。私もすっちー新座長の力をなることを、皆さまの前でお約束させていただきます」と、全力でバックアップしていくことを誓った。

辻本は「すっちーは嫁も子どももいます。今から座長になれば、すごく仕事が忙しくなります。嫁とのすれ違い、注意してください!」と、先輩ならではのアドバイスを。そして「子どもが3人もおるのに離婚した……」と話を続けようとすると、川畑から「それ、わしやないかい!」とツッコミが入り、客席は大爆笑。「3人の座長は素晴らしい見本になると思いますが、川畑座長だけは見習わないように(笑)。すっちーは、もともと漫才師です。すごい視野の笑いを持っていると思いますので、これから頑張ってください」と激励した。

最後は再び内場が「新座長すっちーを加えました吉本新喜劇、今後ともご贔屓お引き立てのほど、隅から隅までずずずいーっと、請い願い奉りまする」と挨拶し、5人の座長に大きな拍手が送られた。

この後、上演された新喜劇は、「花月うどん」を舞台に、すち子が大騒動を巻き起こすというストーリー。内場ら4座長ももちろん出演したほか、先日「小学生が選ぶ新喜劇イチオシギャグ」に選ばれた吉田裕とは、おなじみの「ドリルすんのかい、せんのかい」を披露するなど、随所ですち子の魅力が炸裂。ラストでは桑原和男扮する和子がが「神様〜」のフレーズに乗せ、「新しい星が誕生しました。吉本新喜劇は4つ星から5つ星になりました。これからも末長くご声援をお願いします」と述べ、すっちーと固い握手を交わした。

初日の1回目公演を終えたすっちーは、「口上は、僕自身は何もしゃべらないので緊張はまったくなかったが、いざチョンチョン……と音が鳴って、すごい拍手が来たときに『ああ、しゃべらへんけどこんな緊張するんや』と感じた。『一生に一度のことなんやなあ』と思うと、ちょっと感動して泣きそうになりました」と感想。新喜劇本編については「緊張しすぎてグズッたところがりましたが、それ以上に(島田)一の介師匠がグズグズやったので(笑)。後でしっかりと言うときます」と振り返った。

緞帳が上がる時、下がる時の気持ちをきかれると、「それがあまり記憶に残ってないんです」。幕が開いた時はちょうど舞台袖で清水けんじと話していたそうで、「『座長になりたいんや』というイベントを2人でやってたんですけど、とりあえず僕が座長になりまして。『よかったなあ』と声をかけていただき、『また頑張っていきましょう』って話をしていた。一緒に頑張ってきた人と、今から始まるんやなというのを噛みしめて出ていった感じ」。一方、幕が下りる時の心境については、「僕はお芝居の感じで握手をしてたんですけど、桑原師匠とあんなにがっちりと握手したことはなかったので、『新喜劇頼むで』みたいなのが伝わってきた。新喜劇の歴史の重みをまた感じました」と明かしていた。

今後、座長として“自分の色”をどう出していくのかとの問いには、「力強いというか、いろいろ動いて、感情むき出しの新喜劇ができたら」とキッパリ。「僕の新喜劇って、お話はすごく単純やと思うんです。あんまり難しく考えんと、幕下りて帰る時に『おもろかったなー』と言ってもらえるような、とにかく『楽しかった』って言ってもらえるような新喜劇にしていきたい」と意気込む。

もちろん舞台以外でも、座員たちを食事に連れていくなど、座長としての気遣いも大切にしたいとのこと。「各座長さんを見てると、出番の時にみんなでお昼ご飯に行ったりしているので、僕もそういうことをしていかなアカン。(これまでもやってきたが、これからは)まあ若干ええもんを食べさせてあげようかな(笑)」と話し、「(新喜劇は)ひとりではできないことですし、ひとりで座長になれたわけでもない。後輩はもちろん、先輩にもそういうことはしていかなアカンと思っているので、どんどんやっていきます」と決意表明(?)していた。

ちなみに前日の稽古や本番前の本読みなどは通常公演と変わらなかったものの、「いざ稽古が終わって、さあ寝ようかなと思った時に、何かいろいろ考えましたね」とも。中でも口上の衣装を着せてもらっている時が一番感慨深かったそうで、「コンビ解散したこと、お笑い始めた時のこと、新喜劇入った時のこととか、すごく思い出しましたね」と、しみじみ。公演中もいつもと違う感覚があり、「お客さんに座長としてどう映ってるのかな、どっしり構えられてるかな…そんなことを感じながら演じていた。これが座長になったっていう重圧なのかな、と感じながらやったんで、若干足下がふわっとしていました」。

なお、座長になってから初となる「ドリルすんのかい、せんのかい」のギャグは、すっちー以上に吉田の力が入っていたそう。「公演回数があと19回あるのに大丈夫かな、というぐらい全力で来た。もしかしたら3日目ぐらいに声ガスガスになってるかもしれません(笑)」と、ちょっぴり心配そうなすっちーだった。

なお、本公演の模様は、6月28日(土)12時54分からの「よしもと新喜劇SP」(MBS)ほかにて放送予定。

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