鏡の裏に少女が遺した“想い”、一面に生きる意味や家族への言葉。

2014/06/06 17:46 Written by Narinari.com編集部

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昨年のクリスマス直前、英国のある少女は骨のがんと言われる骨肉腫を患って倒れ、約半年間にわたって治療を続けて来たものの、5月下旬に12歳という若さでこの世を去った。病気になっても常に周りを気遣い、前向きに闘い続けていたという彼女。そんな娘に先立たれた後、悲嘆に暮れながら部屋の整理をしていた両親は、壁に立てかけてあった鏡(姿見)を動かしたとき、その裏に思いもよらぬものを見つけ、釘付けになったそうだ。それは、生前の娘が家族の知らぬ間に書き残していた、最期のメッセージだった。

英紙レスター・マーキュリーやデイリー・メールなどによると、最期のメッセージを残していたのは、英南部の街レスターで5月28日に亡くなった12歳の女の子、アテナ・オーチャードさん。10人兄弟の3番目、6人の姉妹と3人の兄弟に囲まれて過ごしていた彼女は、両親が一目置くほど「とても賢い」だけでなく、ボクシングを趣味で楽しむほど活発で明るい女の子だったという。そんな彼女が昨年クリスマスの直前、大きな悲劇に襲われた。

クリスマスの準備をしていたアテナさんが、突然自宅のキッチンで意識を失って倒れ病院へ。検査の結果、頭に悪性骨肉腫が見つかった彼女は、それから「厳しい化学療法」に耐える毎日を過ごすようになったそうだ。7時間半の手術を受けたり、大事な髪の毛が抜けてウィッグが必要な状態になったり、何より12歳にして人生の終わりが目の前に迫って来たと痛感させられていたはずの彼女。しかし「常にポジティブ」に振る舞っていた彼女は、むしろ母親が「泣かないでと言われていた」と話すほど、しっかりしていたという。そうして約半年間、辛い治療に臨んで希望を持ち続けていた彼女だったが、病魔は着実に彼女の体をむしばんでいき、やがてベッドからも出られなくなるほど衰えていった。

そして5月28日、本人や家族が続けて来た必死の努力も報われず、自宅で12年の生涯を閉じたアテナさん。深い悲しみに襲われながら、知人たちから寄せられた「多くの励まし」で何とか少しずつ立ち直り始めた両親は、先日、娘のものを整理しようと、彼女が使っていた部屋に足を向けたそうだ。その最中、父親が壁に立てかけてあったスタンドミラーをふと裏返してみると、サインペンで鏡の裏一面にびっしりと書かれた、遺書ともいうべきメッセージを見つけたという。

「幸せは自分自身で掴むもの」とする文章から始まるアテナさんのメッセージは、実に「約3,000語」にも及ぶ長いもの。そこには「目的ある人生を送ること」「毎日が特別なんだから精一杯過ごして」と生きる意味についてや、「存在してくれてありがとう」「幸せに、自由で、ずっと若さを忘れないで」とする家族への想いや、「誰かと恋に落ちる時を待っている」といった女の子らしい願いなどが綴られていた。

12歳でこの世を去った彼女が、心の中に抱えていた率直な気持ちをぶつけたメッセージに、「最初見た時は心を打ち抜かれた」と話したのは父親。泣きながら一緒に読んだという母親も、文章を書くのが大好きだった娘だけに、家族へのメッセージを書いていた時も「幸せだったんだろう」と思っているという。

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