紙に書いた「The」入札相次ぐ、競売開始から2日目で170万円を突破。

2014/05/28 20:24 Written by Narinari.com編集部

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いま、オーストラリアの競売サイトに出された奇妙な一品が、大きな注目を集めている。それは、真ん中に「The」とだけ書かれた紙の切れ端。何に使えば良いのかはさっぱり見当もつかないが、入札者が相次いでいて、5月28日時点で1万8,000オーストラリアドル(約170万円)の値を付けている。

豪ニュースサイト・news.com.auやビジネス・インサイダー・オーストラリアなどによると、この紙は商品名「The」として、シドニー在住の男性ユーザーが最近競売サイトeBayオーストラリアに出品。商品説明の中で、彼は「The」という“言葉”を売るとして、A4サイズの紙の切れ端に青のボールペンで「かつて旧友が書いた」ものを売るそうだ。気になる用途について、彼は「The」という便利な言葉は「数千もの文章で利用できる」と綴っていて、メモ書きの一部や会話の中で提示したり、はたまた装飾品として飾ったり「シュノーケルの曇りを拭き取ったり」などと使い方も例示している。

男性ユーザーは、この紙に「0.99ドル(約95円)」の値を付けて出品。すると、間もなく豪州や欧米メディアなどで奇妙な一品として紹介されて評判となり、彼が書いた単なる紙の価値は急上昇して、一時は入札価格が「4万66ドル66セント(約380万円)」までになったという。ところが5月29日に設定されていた締め切りを前に、「The」の入札は5月26日に突然終了して入札件数も「0」となり、eBay側によって取引が無効と判断されたようだ。

この経緯について、ビジネス・インサイダー・オーストラリアは出品した男性ユーザーを特定して取材。出品したのは、オーストラリア人芸術家のショーン・パウダリーさんという人で、言葉を売るとした彼の説明から、eBay側は「無形の商品」を出品するのはサイトの利用規約に反していると判断したそうで、26日にパウダリーさんへ通告があり、入札を停止されたという。この決定に「憤慨した」と話す彼は、同時に「出品に際してもっと注意する」と反省も口にしており、改めて出品条件を調べ直した上で、26日夜には売るのは「紙」と変更した上で、再び「The」の入札ページを開設した。

6月2日までの取引として再度売り出された「The」の紙は、実際に欲しがっている人が少なくなかったようで、入札は極めて順調に進捗している様子。入札開始から2日経った28日時点で、既に1万8,000ドルの値が付いている。大きな評判になっているとあって、本当に払う意思のある落札者が現れれば、相当な金額がパウダリーさんに入る見込みだ。その使い道について、ユーザーからの質問の中で彼は「落札額の半分を寄付する」と表明。「ジョークではない」品にどれだけの値段が付くのか、いまは彼自身も注目する毎日を送っているようだ。

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