大炎上メイソウにカオスな展開、パクり店さらにパクった?ライバル出現。

2014/05/11 13:29 Written by Narinari.com編集部

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4月下旬、日本のネットを発端に日中を跨ぐ騒動を引き起こした中国広東省発の生活雑貨店「メイソウ(名創優品)」。名前や形態が「ダイソー」、ロゴや店舗デザインが「ユニクロ」、取り扱う商品が「無印良品」に似ており、「パクリじゃないか」と関心を集めたためだ。そしてこのたび、そんな「メイソウ」に「“ライバル”が出現した!」との怪情報をキャッチ。ナリナリドットコム中国特派員が真相を確かめるべく現地へ急行すると、驚くことにそのライバル店は「メイソウ」から10メートルも離れていない場所で平然と営業していたのだ。

「メイソウの“ライバル”店」と言われている店は、広東省深セン市南山区にあった。名前は「ゆうやと(優宿優品)」。英語表記は「USUPSO」だ。

外観・内装ともに「メイソウ」そっくりに作られており、商品ラインアップも「メイソウ」と大変似通っている。すべての商品が10元均一で販売されている点も同じだ。「メイソウ」のロゴは取っ手の付いた赤いバッグの形をしているが、「ゆうやと」にはその取っ手がない。一見してわかる違いと言えば、それくらいだ。

実際に「ゆうやと」店内に足を踏み入れると、「メイソウ」同様、須藤元気率いるダンスパフォーマンスグループ「ワールドオーダー」の楽曲が流れていた。これまた無断使用だと思われる。商品ラインアップはほぼ同じであるものの、日本語の表記自体は少なく、「メイソウ」のように「日本輸入」「日本品質」を高らかに謳っているわけではない。それでもやはり一部商品には日本語が記されており、程度の差こそあれ、「日本=高品質」というイメージ戦略は採用しているようだ。

気になるのは「メイソウ」との関係だ。さすがにここまで似通っていると、「同じ企業が経営しているのでは?」と疑いたくなるものだが、店員にその点を追求すると、「経営者は違いますが、業界は同じです」という返事。また、「どうしてこれほど近い場所にあるのか?」と質問すると、「うち(ゆうやと)のほうが先にできたんですよ」と対抗心を露わに。同店は3月中旬にオープンしたが、「メイソウ」はそれから遅れること約1か月、4月中旬にオープンしたという。

こうなると、「メイソウ」側にも真相を確かめるしかない。そこで「ゆうやと」から一旦離れ、わずか10メートル(小さなお店2軒分)程度しか離れていない「メイソウ」を訪問、店員に話を聞くことにした。

すると確かに同店は「ゆうやと」に遅れてオープンしたことを認めたが、「うちこそが元祖よ」と譲らない。もう何が元祖なのか、なにがなんやら……。「ゆうやとは山寨(=パクリ)よ」と断言するとともに、「だからプレッシャーがきついのよ」とまで語り、“本家本元”が抱える悩みを吐露した。

そして「ゆうやと」で購入しておいたクリーナーと似ている商品が「メイソウ」にも陳列されていたので、「これ同じなんでしょう?」と聞くと、「うちの商品のほうが質がいい」と言う。「メイソウは世界的ブランドですから」と自信満々だ。

と、このように互いにライバル心をむき出しにしている「ゆうやと」と「メイソウ」だが、いまいち理解し難い点がある。「ゆうやと」と「メイソウ」の経営者が本当に異なるならば、「なぜここまで店舗設計や商品ラインアップが同じなのか」ということだ。それこそ中国のパクリ店は枚挙にいとまがないが、そのほとんどが「似ているとは言え、違いもある」だ。「ゆうやと」のようにそっくりそのままパクっているケースは実は稀で、「ここまで同じにする必要があるのだろうか」という疑問を感じざるを得ない。仮に「ゆうやと」が「メイソウ」の元社員もしくは関係者によって始められた“契約違反”の店であるならば、「メイソウ」の逆鱗に触れ、今回のようにあからさまに潰しにかかったとしてもまったく不思議はないのだが……謎は深まるばかり。

しかし、この「ゆうやと」。「メイソウ」と異なり、中国のネットにもまったく情報がない。百度で検索をかけてみると、同じ字を使った別の会社の情報はヒットするものの、「ゆうやと」そのものはナシ。中国版ツイッター微博でも検索をかけてみたがヒット数はわずか1件で、その内容も今回訪れた店の情報のみだった。

これは恐らく「ゆうやと」の店舗数がかなり少ないためだと思われるが、商品の説明書きには広州市内の本社の住所しか記されていない。ちなみに、本社が広州にあるのは「メイソウ」も同じ。また、「ゆうやと」も日本に会社(TCK株式会社という名)を構えているそうで、その住所は東京都中野区中野3-48-14。これまたこの会社が実在するのかどうか疑わしい限りだが、中国で“メイソウ抗争”が起きていることは確かなようだ。



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