動物園に77年間通った熱烈サポ、87歳のおばあちゃんが終身会員に。

2014/03/26 18:18 Written by Narinari.com編集部

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英バーミンガム近郊にあるダドリー動物園には、スタッフ以上に動物園に詳しいと言われる、有名な女性来園者がいる。近くのウォルバーハンプトンに住む87歳のミュリエル・サッチャーさんは、ダドリー動物園がオープンしたばかりの1937年に初めて来園した。以降、いろいろな動物を見る楽しさを知り、頻繁に訪れるようになったそうだ。これまでに2,000回以上も通ったという“熱烈サポーター”のおばあちゃん。先日、動物園は終身会員として認め、セレモニーを開いてお祝いした。

動物園公式サイトや英紙デイリー・メールなどによると、サッチャーさんは10歳だった1937年、動物園ができたと聞いて母親に頼み、妹と3人で初めてダドリー動物園を訪れた。当時の動物園には、彼女のように「見たことがない様々な動物」見たさの人が大勢集まり、各動物を見るのに「何時間もかかった」ほど至るところに長蛇の列ができ、賑わっていたそうだ。そんな行列の連続に嫌気がさし、帰りたがっていた母親を尻目に「外国から来た動物を初めて見た」彼女は大感激。「別の世界へ連れて行かれたように感じた」と熱心に見て回り、結局渋る母親を諭して初めての動物園を存分に楽しんだという。

それから動物園の魅力にハマった彼女は、「お金をかき集めて」頻繁に動物園へ通うようになった。第二次世界大戦中だった頃は動物園も不定期営業となり、周囲の雰囲気もあって「行くだけでもちょっとした挑戦だった」と振り返るサッチャーさん。人間も食料不足に苦しんでいた時代、彼女は動物たちはもっと苦しんでいるだろうと「気の毒に思っていた」といい、いつも「動物にあげる食べ物を持ち込んで」訪れたと話している。

やがて平和になると、思う存分に動物園へ通うようになったサッチャーさん。年間パスを買っては、バス2台を乗り継いで3時間かけて動物園の動物たちと触れ合う時間を、最低でも月2回持つのが生活の決まりごとになったという。そして、ダドリー動物園を訪れた回数は2,000回以上に。すっかり動物園が“第二の家”となった彼女を、園の職員たちはもちろん全員が知っており、よく「私たちより動物園のことを知っている」と話しては笑っているそうだ。

それだけ有名なおばあちゃんとあって、今まで特別なイベントを開く際にはサッチャーさんを必ず園に呼んでいたが、動物園側はこのほど“終身会員”に認定。長年にわたって職員たちをサポートし、励ましてくれたと、園が彼女を祝うセレモニーを開いた。さらに猿の飼育舎の隣に作られた、彼女の名前が刻まれている専用ベンチを来園者たちにお披露目したという。

「家族のよう」と話す職員たちから終身会員証とベンチのプレゼントを受け取り、喜んでいた様子のサッチャーさん。年間パスを買う必要がなくなった彼女は、その分「大好きな動物たちの世話にもっとお金を使いたい」と話しており、今後もまだまだダドリー動物園に通い続ける意志を示している。

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