鳩の持ち帰った吸い殻で火事、屋根裏の巣が火元でアパート燃える。

2014/03/11 16:10 Written by Narinari.com編集部

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先日、英ロンドン南部のある3階建てアパートで発生した火災事故が、同国でちょっとした話題を呼んでいる。入居していた9人は避難していたためけが人はなく、発生から約3時間後には鎮火した小規模の火災だったが、現場検証を行った消防隊は火元と見られた屋根裏を見てしばらく困惑したそうだ。火の気となるようなものが何もないのに、なぜ屋根裏から出火したのか。後にその答えは焦げて見つかった鳩の巣から見つかったという。

英紙デイリー・テレグラフやロンドン・イブニングスタンダードなどによると、問題の火災事故は3月5日午後10時20分頃、ロンドン中心部の南部を走るランダー・ロードと呼ばれる通り沿いにある、3階建てアパートで発生した。消防車4台が出動し、消防士21人体制で消火活動を行い、火は約3時間後の6日午前0時40分頃までに鎮火したという。この火災により、アパートには屋根の5分の1ほどが焼ける被害が出たものの、入居していた9人は消防隊が到着する前に全員外へ避難でき、けが人は出なかったそうだ。

しかしその後、火元と見られたアパートの屋根裏部分の調査を進めると、「長い間人が立ち入っていなかった」だけでなく、電気ケーブルなど火を誘発するようなものも特に見当たらず、さっぱり原因が見つからない事態に。消防隊もしばらく首をかしげていたようだが、“火のないところに煙は立たない”の言葉通り、何か火の出る原因があったはずと屋根裏をくまなく調べ周ったところ、一部が焼けた鳥の巣を発見、ついに証拠に行き当たった。

近所の人の話では、以前からアパートの屋根裏には穴を通って入っていく鳩が目撃されていたとのこと。この日、屋根裏に巣を作っていた鳩は、街中に落ちていた“火が消えていない”タバコの吸い殻を持ち帰って戻って来てしまったようで、その火種が巣に引火、屋根裏で燃え広がったと見られている。ロンドンでは、昨年もタバコを拾った鳩が原因とされる火災の事故報告があるそうで、何も鳩ばかりが責められる問題でもないようだ。

今回は幸運にも近所の住人が煙が出てすぐに気付いてくれたため、素早い対応ができて大きな被害にならなかったと話すのは消防関係者。しかしこうした事例が起きた以上、捨てられた吸い殻で「何が起きるか決してわからない」と話す関係者は、外でタバコを吸った場合は「火が完全に消えたことを確認する必要がある」と、喫煙者に対して注意を呼び掛けている。

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