東大発ベンチャーのAgICは、銀ナノ粒子インクを利用して、市販の家庭用プリンターで電子回路を簡単に印刷できる「AgIC Print」キットを開発。米クラウドファンディングの「Kickstarter」で、事前予約販売を開始した。

今回、AgICから登場した電子回路基板の簡単作成技術は、これまで専門のプリント基板の製造業者に依頼していたような電子回路を、家庭用のプリンターを用いて簡単に自分で作成することができるもの。これにより、製品のプロトタイプの開発期間が飛躍的に短縮され、低コストで開発できるという。

また、ハンダ付けなしで、導電性のテープや接着剤で電子工作ができるので、小さな子どもでも折り紙のような手軽さで電子工作を楽しめるのが特長。同社は「電子回路の教育や学習ツールへの応用も期待できる」としている。

AgICは、東京大学の川原圭博准教授の研究成果をベースに、銀ナノインク、専用の印刷用紙、LEDやスイッチなどの部品をまとめてキット化し、プロトタイプ開発に必要なセットを提供。3月3日より、「Kickstarter」でプロジェクトを公開し、事前予約を開始、製品出荷は8月頃を予定している。目標金額は3万USドル。