“深海の胸毛牧場”72時間中継、体毛でエサを育てるヤドカリの仲間。

2014/02/20 14:56 Written by Narinari.com編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加


ニコニコ生放送では2月22日から25日まで、JAMSTEC横須賀本部の飼育水槽にて生態観測中の“深海の胸毛牧場”ことゴエモンコシオリエビの水槽の様子を72時間にわたり生中継する。

「私のご飯は、胸毛で飼っているバクテリアです――」。ゴエモンコシオリエビ(学名:Shinkaia crosnieri)は、沖縄トラフの熱水噴出域でしか発見されていない、日本を代表する深海熱水域の動物。エビでもカニでもなくコシオリエビ(ヤドカリの仲間)に分類され、和名の由来は釜ゆでの刑にあった大盗賊の石川五右衛門とされている。

そのお腹には密集した毛が生えており、毛でたくさんのバクテリアを飼っているのが特長。このバクテリアは地球内部から吹き出す熱水に含まれる硫化水素とメタンから栄養を作り出している。ゴエモンコシオリエビは体毛で育てたバクテリアを手のような器官でこそいで食べて生きており、こうした生態から“胸毛牧場”との愛称が付いた。また、光のない深海で生息しているため目は退化している。

放送は22日12時から25日12時まで。番組名は「72H生【深海の胸毛牧場】ゴエモンコシオリエビをみんなで観察しよう」で、詳細は番組ページ(//live.nicovideo.jp/watch/lv169691005)を参照。


☆“ゴエモンコシオリエビ”データ

採集海域:沖縄本島から西方180kmの深海熱水噴出孔(沖縄トラフ伊平屋北熱水活動域)
採集水深:約1,000メートル
体長:約1〜6センチ
採取日時:2014年1月12日
探査機:無人探査機「ハイパードルフィン」、海洋調査船「かいよう」
協力:JAMSTEC海洋・極限環境生物圏領域 深海・地殻内生物圏研究プログラム
和辻智郎 研究員

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.