ソチ五輪フィギュアスケート競技に合わせ、上昇しているフィギュアスケート関連本が、今週2月24日付けのオリコン“本”BOOK（総合）部門でも好調な動きを見せた。先週男子フィギュアで日本人初の金メダルを獲得した羽生結弦選手の「蒼い炎」（2012年4月10日発売・扶桑社）が、先週の100位圏外から84位に急上昇、2012年4月30日付け以来1年10か月、約2年ぶりのTOP100入りとなり、また、これまでの最高位90位（2012年4月23日付けで獲得）を更新した（週間売上0.3万部、累積売上は2.4万部）。

今作は、2012年4月に発売された羽生選手（当時17歳）初の著書で、現時点では唯一の著書。スケートを始めた4歳から当時までの軌跡を、たくさんの秘蔵写真とインタビューで綴ったチャリティブックとして発売されており、羽生選手の印税と売り上げの一部は被災したアイスリンク仙台へ寄付されている。

仙台のリンクで練習中に東日本大震災に被災し、さらにそのリンクが半壊で閉鎖したため、近くの体育館で家族4人で避難所生活を送りながら、練習場所を求めて日本各地のアイスショーに参加して4回転の精度を磨いた日々や、「このまま、スケートを続けてもいいのか」と悩んだことも赤裸々に綴られており、羽生選手がどんな試練に耐えて練習を続け、今に至ったのか、今回の金メダルへの並々ならぬ思いが感じ取れる作品となっている。

発売元によると、先週のSP直前に今後の需要を見込み増刷を決定。2月13日（金）の金メダル獲得直後から売り上げが急増したという。増刷分は今週末に用意でき、さらに現在追加で増刷中。現在までの発行部数は8万部とのことで、来週以降の売上増加が期待される作品だ。