JR発足以来初の新型ラッセル車、JR西日本が「キヤ143形」を投入へ。

2014/02/15 03:11 Written by Narinari.com編集部

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JR西日本は2月14日、線路上の除雪に使用しているラッセル車両の置き替えとして、新型ラッセル車両「キヤ143形」を今月から来月にかけて投入すると発表した。新型ラッセル車は、1987年にJRが発足して以来、JR他会社も含めて初めて。

主に北陸本線の除雪作業などを想定して投入される「キヤ143形」は、単線・複線両方の除雪が可能な構造が大きな特長。運転室からの操作により、両先頭部に装備している除雪用ラッセル翼を単線除雪・複線除雪に切り換えられるため、単線・複線の両方に対応できる。

また、ラッセル車両として使用しない期間は、両先頭部の除雪用ラッセル翼を取り外して牽引車両としても使用可能だ。牽引車両として使用する際に、前面衝突時の乗務員への衝撃を低減するための衝撃吸収構造を採用。衝突時の安全対策も向上している。

さらにATSやEB装置の電源が投入されていない場合などに、警報などにより乗務員に知らせる装置を装備。運転状況記録装置や映像音声記録装置を搭載して安全性の向上を図っているほか、車両機関室内にエンジン・変速機をそれぞれ2台、機関室内には自動消火装置を搭載した。

運転室には、前方や車両側面後方の除雪状態を映し出す確認用カメラを搭載しており、オペレーターが除雪状態を確認できる。

こうしたさまざまな新機能を搭載し、従来のラッセル車両に比べて大幅な軽量化を図りながらも、従来と同等の除雪能力を保持。最新の気動車と部品の共通化を図ることにより、メンテナンスの軽減も図られている。

なお、車体外部塗装は、雪の中でも存在感のある既存のラッセル車両と同一の朱色をベースに、前面および運転室側面にはゼブラ模様を配した。躍動感と存在感を強調したデザインだ。


☆「キヤ143形」主なスペック

基本編成:1両編成
最高運転速度:75km/h
主な使用線区:北陸本線
予定重量:56t(運転整備時)
主要寸法:車体長 26.9m/車体幅 2.99m/屋根高さ 4.09m
車体:鋼鉄製・両端高運転台・非貫通
エンジン:環境対応エンジン
ブレーキ:電気指令式空気ブレーキ
保安装置:ATS-SW・P
無線装置:列車無線(デジタル式)/防護無線(デジタル式)
除雪装置:可変式かき寄せ翼方式/着脱可能構造

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