歩けない子猫を守り続ける犬、米国で注目集める“仲良しコンビ”。

2014/01/23 20:05 Written by Narinari.com編集部

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米国のペットサロンに、いま、話題の仲良しコンビがいる。2歳でメスのダックスフント犬イジーと、同じくメスで生後7か月の子猫ルースの犬猫コンビだ。いまでこそ幸せな毎日を過ごしている2匹だが、この生活に至るまでには苦労があった。

米紙オーランド・センチネルやニューヨーク・デイリーニュースなどによると、イジーとルースは昨年10月はじめ頃、米フロリダ州の路上で発見された。住宅の門の前に置かれた箱の中で、ルースの“保護者”となっていたイジーは、近づく人間に総じて吠える攻撃的な態度を見せ、小さな仲間を守ろうとしていたという。2匹がいつから放置されていたのかは分からないものの、見つけた動物保護センターの職員によると、ルースは足が麻痺して歩けない状態だったが、それ以外に2匹が特に汚れていたり、栄養が足りない様子はなかったそうだ。

そして保護され、施設へと引き取られたイジーとルース。立ち上がれずに前脚の力で這って動くのがやっとのルースを見て、原因は掴めないながらも「何とかできないか」と考えたスタッフたちは、非営利団体の協力も得て、彼女にステロイドの投与や鍼の治療などを試みた。しかし残念ながら効果はなかった上、治療のたびに連れて行かれるルースに、心配するイジーが「絶えず彼女を探すように」落ち着かない様子を見せていたという。そこで、施設側も通常犬と猫は分けて管理するところ、この2匹に限っては一緒に過ごせるよう特別な囲いを作って見守っていたそうだ。

その後間もなく、事情を知った同州レイクメアリーにあるペットサロンへと引き取られた2匹。ここはペットサロンとしてだけでなく、過去6年で1,300匹もの犬や猫を引き取っては新たな飼い主に引き渡す活動も行ったり、賛同する非営利団体へ資金援助を行ったりするなど、動物保護活動にも力を入れている店だ。

現在、その入口に作られた大きなケージの中で、新たな生活を送っているイジーとルース。店のスタッフや訪れる客からの人気も集めて、イジーもすっかり人に慣れた様子だというが、うっかりルースに近づくと途端に「激しく唸ったり吠えたりする」とのこと。今でも仲間の子猫を気遣う彼女は、普段からルースを巻き込むように寄り添い、2匹で仲良く過ごしているそうだ。

そして、「とてもお茶目で遊ぶのが大好きな」ルースと「彼女を守る意思を持っている」イジーのコンビは、オーランド・センチネル紙から他のメディアでも紹介され、店を知る人だけでなく米国中から注目される存在に。今後も2匹を飼い続けるという店側は「神経科医から改善する可能性があると言われた」として、寄付金を募って再びルースに治療を行う方針を決めたそうで、いつか2匹で楽しそうに走り回りながら遊べる日が訪れるように願いたいところだ。

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