死迫る主人に愛犬“さよなら”、病室で撮影の対面写真に大きな反響。

2013/12/28 11:53 Written by Narinari.com編集部

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クリスマスを前に世間が明るい雰囲気に包まれていた頃、米国で死を目前にした男性と愛犬の様子を撮影した1枚の写真がネットに投稿され、大きな反響を呼んだ。そこに写っているのは、長いがんとの闘病生活を送ってきた21歳の男性と愛犬の姿。まるで別れを確信し、気持ちを伝え合っているかのような瞬間の1枚は米メディアでも広く紹介され、彼らの間に感じられる強い絆に多くの人が心を打たれたようだ。

米放送局CBS系列WBZ-TVや米紙ロサンゼルス・タイムズなどによると、写っているのは、マサチューセッツ州の病院でがんと闘う21歳の男性マイク・ペトロシーノさんと、愛犬のラスティー。ペトロシーノさんは13歳だった2006年4月、ユーイング肉腫と呼ばれる“骨のがん”に侵されていると分かり、そこから長い闘病生活が始まった。医者からは1年間生存できる確率は「3%」と言われたにも関わらず、強力な治療に耐え抜いた彼は、1年後には再び学校へ通えるまでに奇跡的な回復を遂げたという。

ところが、その後も新しい箇所に見つかるなどしてがんとの闘いは続き、ペトロシーノさんの体も徐々に状態が悪化。足の切除手術なども受けて懸命な治療を行い続けてきたが、ここ数か月は特に体調の悪化が進んでしまい、もはや「施しようがない」状態になってしまった。そこで医者からも「長く持たない」と聞かされた家族は、別れの挨拶をして欲しいと彼の友人たちを病室に呼び寄せ始めたそうで、その中で大事な家族ながらこれまで彼に顔を合わせられなかったラスティーにも会わせようと、最近病室へ連れて行ったそうだ。

そのときに家族が撮影したのが、今回反響を呼んだ写真。ペトロシーノさんが横たわるベッドに前脚を乗せて視線を送るラスティーに、彼も力強く見つめ返して頭を撫でている瞬間の1枚は、高校時代の同級生だったエヴァン・スミスさんが12月20日に米ソーシャルサイトredditで紹介したところ、すぐに大きな話題となった。

彼らの写真が想像以上の反響となり、「驚いている」というスミスさん。ただ、写真に見られる多くの愛情が大勢の人の心を揺さぶったのだろうとして、写真に高い関心が集まっている状況を「理解できる」とも話している。

そして感動の写真に対する注目は、ペトロシーノさんや家族を助ける大きな力にもなった。彼の治療に関わる費用を工面しようと、母ポーラさんが資金調達サイト「Go Fund Me」に今年6月開設したページ「Help with Mike's Medical Expenses」にも多くの人から関心が集まり、寄せられる寄付金の総額も急上昇。12月27日時点で目標としていた1万ドル(約104万円)を大きく超える、3万5,281ドル(約370万円)の寄付金が集まっている。

支援してくれた多くの人の気持ちに触れたポーラさんは、12月24日に「世界には素晴らしい人たちがたくさんいる」などと感謝の気持ちを表すメッセージを更新。クリスマスには彼の希望もあって、ペトロシーノさんは自宅へ戻ったそうで、今後は「ラスティーと最期まで一緒にいられる」とも報告している。

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