水川あさみが辻村深月作品に、映画「太陽の坐る場所」で主演へ。

2013/12/25 10:01 Written by Narinari.com編集部

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女優の水川あさみ(30歳)が、直木賞作家・辻村深月の同名小説が原作の映画「太陽の坐る場所」に主演することがわかった。2014年秋の公開を目指し、現在、撮影が進められている。

「太陽の坐る場所」は、「ツナグ」のヒットも記憶に新しい辻村の原作を、「ストロベリーショートケイクス」「スイートリトルライズ」の矢崎仁司監督が映画化する作品。辻村が得意とする地方都市を舞台に、かつての同級生たちの交錯する想いを描いたこの小説に矢崎監督が惚れ込み、自身で脚本を執筆して映画化を熱望、女性の内面の繊細な描写に定評がある矢崎監督が豊かな心理描写と細やかな演出で“彼女たち”の物語を紡ぎ出していく。

高校時代はクラスの女王様のような存在だったが、今は地元の地方局アナウンサーとして満たされずに過ごしている高間響子役に水川、高校時代は地味な存在だったが、今をときめく女優として同級生から羨望の眼差しで見つめられる鈴原今日子役に木村文乃を起用。また、同級生の地方銀行員・島津役に三浦貴大、その島津が想いを寄せる由希役に森カンナが起用された。

今回の映画化について、辻村は「『太陽の坐る場所』は地方を描くという意味で私の転機となった作品です。映画化のお話しをいただいたとき、まずは大変な作業になるだろうと想像しました。登場人物も多く、関係が複雑なため、どのような構成になるのだろうかと。しかし矢崎監督というお名前を聞き、またシナリオを読ませていただき、その不安が期待に変わりました。原作の空気感が見事に表現されていたからです。監督は繊細な撮り方をされるという印象がありますので、その空気感をどのように切り取ってもらえるのか今からとても楽しみです。監督のモットーは劇場の暗闇から出た後に観客の皆さんの心に新たな光が当たるような作品だと伺いました。この作品の持つテーマとつながっていると感じています。映画の完成を心より楽しみにしています」とコメント。

矢崎監督は「辻村深月さんの『太陽の坐る場所』を映画にしたい。この小説の登場人物たちを、生身な人間で映し撮りたいと強く思いました。私が辻村さんと同じ山梨県人だから、この物語の五人の語り手たちの感情を肌で感じることができるのではと。山梨で生まれ育ったこと。近くて遠い東京の距離感。人間の心の底を抉る辻村文学に、いつか挑みたいと思っていました。この『太陽の坐る場所』には、痛々しいほどの裸の心たちが、服を着て仮面を被り、日々を懸命に生きています。思春期の心の傷の包帯を解き、自分でも忘れていた傷口を、太陽に曝すことで、自分の新しい一歩を踏み出していく映画にしたいです。『キョウコ』は、今日であり、響きであり、鏡でもあると思います。この鏡に自らを映すことで、登場人物たちは、各々の道を見つけて歩き出す。この映画も観客ひとりひとりを映す鏡になり、映画館の暗闇から外に出た時、新しい何かを発見する予感の映画にしたいです」と意気込みを語っている。

また、主演の水川は「学生の頃の想いってものは、大人になってから思い返せば恥ずかしい程稚拙なものだったりする。 辻村さんの原作にも、矢崎監督の脚本にも人の心の中の微妙な醜い感情がそれぞれに描き出されていて少し心が締め付けられるような痛い気持ちと甘酸っぱく少しだけで懐かしい気持ちにもなります。矢崎監督のファンであり、今回御一緒させて頂けるのをとても嬉しく思っています。私の中から、どんな響子を引き出し、色付け、面白がっていただけるのか。身が引き締まる思いです。楽しみでなりません」。

木村は「矢崎監督の作品はどれも奇麗で品がある。同性が観ても異性が観ても、素敵で憧れるような世界観の矢崎作品に今回参加でき、とてもうれしく思います。キョウコが何を思っていて、どうしてそういう行動をとるのか。その理由をあからさまに表現しないことが大事な役でもあるので、難しいところはありますが、監督の中には『こうしたい』という思いがしっかりある。私はその上で、素直に表現していきたいと思います」と、それぞれコメントを寄せている。

映画「太陽の坐る場所」は2014年秋ロードショー。


☆「太陽の坐る場所」ストーリー

東京から電車で2時間ほどのある高校の同級生たちが、10年後のクラス会で顔を合わせる。それまでに、幾度か開催されているクラス会だが、自然と田舎組と東京組に分かれてしまう。田舎組の中心にいるのは、高校時代の女王で地方アナウンサーとなった響子。しかし、最近の話題はもっぱら、かつての同級生で今をときめく女優となった“キョウコ”のことばかり。クラス会に現れない“キョウコ”を巡って、田舎町の高校生だった頃と現在が混じりあい、それぞれの想いが描かれていく。

皆の羨望を浴びるため有名ブランドのデザイナーだと嘘をつく由希…そんな由希を高校時代から一途に想い続ける島津…そして、響子がずっと胸に秘めてきた恋、苦しみ、孤独…ついに“あること”をするために女優キョウコが皆の前に姿を現す…響子の想いが初めて太陽に曝され、明かされる真実。「太陽はどこにあっても明るいのよ」響子が長い間、過去に囚われていた人生、未来への扉が、今、開かれる…。

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