商店防犯カメラで飛行機墜落? カナダで起きた遭難信号巡る“謎”。

2013/12/16 09:55 Written by Narinari.com編集部

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11月中旬、カナダ運輸省航空局に緊張が走った。それは飛行機の緊急事態を告げる遭難信号を受信したため。発信場所は、カナダ東部のノバスコシア州バーウィック付近。やがて航空局では、当時現場上空を通過する予定だった英国航空の旅客機が墜落したとの情報が駆け巡り、救難ヘリや軍が捜索活動に乗り出した。しかし、現場付近で墜落の痕跡は全く見当たらず、その後、問題の英国航空機が目的地の米国へ到着したとの報告も。いったい受信した遭難信号はどこから発せられたのか、航空局が調査を進めているものの、原因となった正体を突き止めてさらなる謎に陥っているという。

カナダ放送局CBCによると、カナダ運輸省航空局は11月14日夜に、乗客数百人を乗せてロンドンから米国のアトランタに向かっていた英国航空機からの遭難信号を受信。捜索隊を向かわせたほか、現場上空を飛ぶ予定になっていた別の飛行機に針路変更を要請するなど、さまざまな対応に追われる事態になった。ところが、墜落したはずの飛行機は無事アトランタに到着したとの知らせも受け、英国航空機から発信されたと認識した遭難信号は、実は別の物から出されていたと判明。翌日、航空局が現場周辺の調査を行い、偽の信号が出されていた場所を特定したそうだ。

それは、バーウィックで野菜を中心に扱う商店。店内に設置されていた、デジタルビデオカメラと記録装置からなる「セキュリティシステム」から信号が出ていたことを突き止めたという。店長を務めるエイプリル・ハントリーさんは、やって来た航空局の職員から説明を受けても、事情が「本当によく分からなかった」と困惑。店にデジカメなどを設置したのは「ずっと前から」で、使い始めたばかりというわけでもない上、システムからなぜ航空局が受信した遭難信号が出されたのか、さっぱり見当もつかなかったからのようだ。

しかし、信号を発信した正体を見つけたはずが、さらなる謎にぶつかったという航空局。発信された信号を止めようと、商店のセキュリティシステムの電源を一度完全に切ったそうだが、なぜか信号は「途切れず」に出続けたままで、問題が解決しなかったそうだ。発信場所が商店であるのは間違いなさそうだが、問題がシステムにあるのか違うのか、「ミステリーが深まった」航空局はさらなる調査を続けているという。

結局、現時点においても「商店からどうやって飛行機が墜落したと思わせる信号を発せられたのか」という点は謎のまま。今後飛行機を利用する乗客たちの命にも、航空局の信頼性にも大きく関わる問題だけに、航空間の信号システム改善を促す有効な対処策を見出すためにも、カナダ航空局には早く今回の謎を解明してもらいたいところだ。

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