史上初“小学生以下0円”映画、満島ひかり主演の「ハロー! 純一」。

2013/11/28 05:09 Written by Narinari.com編集部

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満島ひかり主演、石井克人監督らによる映画「ハロー! 純一」が、史上初めて“小学生以下0円”で公開されることが決定した。これは石井監督の「世界中の子供たちに映画や映画館を好きになってもらいたい。だから子供たちにプレゼントを贈る気持ちで」という考えに集まったキャスト、スタッフにより、本作が制作された経緯があるため。そして、11月27日にはキャストが揃った記者会見が行われた。

記者会見は、子供たちがそれぞれ役柄を自己紹介をした後、司会進行に挑戦。本作は、2012年3月に千葉県成田市や地元の全面協力のもと撮影されたことや、撮影前にワークショップが行われたこと、公民館を宿舎にして共同生活を行いながら撮影に臨んだことなどを、子供たち自身が説明していった。その上で“子供たちに映画のプレゼントを”という石井監督の想いに共感したスタッフやキャストが集まり、作られた作品であることを紹介し、監督と出演者が登場。

今回“小学生以下0円”という業界初の興行となることについて、石井監督は「小学生の頃、映画館に行けるほどのお金がなかったんです。その中でテレビで見た『頑張れ!ベアーズ』に衝撃を受けて」と説明した。

本作は石井監督の母親による、実話を元にした自費出版本「ぼくのかみさまありがとう」(著:石井紀子/文芸社刊)が下敷きになっており、もともとは石井監督のポケットマネーで作った自主映画だった。にも関わらず、全国95館という拡大公開されることになったことについて、「子供はタダで観られるようにしたいと考えていたので、地道に一館ずつ……と最初は思っていたんです。それをスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーに相談したら、『君には宣伝は無理だよ』と言われて(笑)。その場でティ・ジョイの紀伊宗之さんを紹介していただきました」と振り返った。満島を始めとする出演者の真剣な演技が、単なる“自主映画”で終わらせるべきではないと考え直すきっかけになったようだ。

破天荒な教育実習生・アンナ先生を演じた満島ひかりは、子供と共演する作品が続いていることについて、「大人よりも子供と芝居をする方が好きなんです。石井監督と一緒なら楽しく撮影ができるし、この映画の企画に共感して、少しでもお手伝いできたらと思いました。石井組の作品ではいつも巻き髪にハイヒールでミニスカートを履いていますが(笑)」とコメント。

劇中ではアイドルを目指す田中さんを演じた佐々木りおちゃんから、演技の評価を聞かれた満島は、「私はアイドルは卒業しましたが、タンカを切るところとさびしそうなところのギャップがよかったと思います。芝居なのか芝居じゃないのか分からなくなるような場面もあって。でも、撮影中に皆の間に恋愛模様がありすぎかなとは思いました……そこは仕事なのでしっかりしないと(笑)」と先輩として笑いながらもクギを指す、現場の雰囲気をうかがわせる微笑ましいやりとりも。

全ての石井作品に出演しているアチキタ先生役の森下能幸は、満島について「映像で観た時と現場でのギャップが本当に違う方。子供たちと和気あいあいと話をされていて、そのギャップが素敵で」と印象を語った。

また、自身の印象に残っている先生について聞かれた満島は、教師だという自身の父親のエピソードを披露。「高校進学を機にラグビー部に入り花園を目指したいという中学生の男の子を花壇に座らせ、水をかけながら『そこが本当の花園だ!』…とアドバイスしたみたいです。本当に強烈でしたね」と振り返った。

最後は満島が「ここにいる皆がレッスンしているところから見ていて、役柄なのか本人なのか分からないエネルギーを感じました。観終えた後、もう1回観たいと思える作品です。こんなに沢山の映画館で公開されるとは思っていませんでした。子供たちがこの映画で皆の中にある何かを見つけてくれればと思います」、石井監督が「単館規模で……と考えていたら、満島さんの演技を見て、本気なんだ!と思いました。一緒に作った芳岡くん(芳岡篤史監督)と川口さん(川口花乃子監督)でないとこういうさわやかな作品にはならなかったと思います」とアピールし、記者会見を締めくくった。

なお、“小学生以下0円”での鑑賞の際は、保護者(成人以上)の同伴が最低1人必要。同行の子供の人数は問わない。

映画「ハロー! 純一」は2014年2月15日、イオンシネマ幕張新都心、新宿バルト9ほか全国公開。

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