森へ逃げた豚3頭が太って戻る、おいしいどんぐり食べて大きさ2倍に。

2013/11/15 09:38 Written by Narinari.com編集部

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秋は、おいしい自然の恵みがたくさん出回る季節。この時期になると、体重が気になる人も多いかもしれないが、“食欲の秋”は何も人間に限ったものでもないようだ。英国では先月、小屋から自力で逃げ出して森の中へ消えた3頭の豚が、執念の捜索によって1か月ぶりに見つけ出され、捕獲される出来事があったという。人間の心配をよそに、まるまると太って戻って来た豚たちを見て、飼育していた環境保護団体のメンバーは安堵したそうだ。

英放送局BBCや英紙デイリー・メールなどによると、逃げた豚たちを取り戻したのは、英中部の街クリザーローで飼育していたランカシャー・ワイルドライフ・トラストという環境保護団体。この団体では「森の自然再生を促進する」活動を行っており、クリザーロー郊外の森林では野生生物たちにとって住みよい環境を作るために、この秋から森の草を食べさせる生後6か月の豚4頭を借り受け、小屋に入れて飼育していた。

ところが飼育を始めて3週間が経った10月中頃、様子を見に行ったスタッフが「小屋の下に穴を掘って」(英紙インディペンデントより)3頭が逃げ出していることに気が付いた。時間が経っても戻らない3頭に、スタッフたちは健康状態やほかの動物からの襲撃を心配し、以後毎日バケツ1杯分の餌を片手に辺りを探し始めたという。しかし3頭は一向に見つからず、捜索活動を続ける中で「なぜ残っていたのか分からないが、孤独でとても悲しそう」と小屋に残っていた1頭も気になるようになってしまい、この1頭は間もなく飼い主に返還したそうだ。

それでも消えた3頭の手がかりは全く得られず、不安が強くなったスタッフの1人が彼らのフンを探して捜索する方法を開始。「近くで農業を営む住民から『新しいフンがあった』」(英紙デイリー・ミラーより)との情報を受けたのがきっかけで思いついたそうで、その後彼らは森の中を地道に3頭の“特徴的なフン”が落ちていないか探し続けた。「おかげでフンの専門家になった」と笑うスタッフ夫婦が痕跡を追いかけ続けた結果、3頭が逃走してから約1か月後、大きくなっていた彼らは小屋から約3キロ離れた場所で、元気に動き回っているところを発見されたという。

心配された健康状態は極めて良好な状態で、それどころか体は逃げ出した時のほぼ2倍にまで成長。秋を迎えた森の中に、大量のどんぐりの実が落ちていたのが彼らにとって幸いとなったようで、すっかり大きくなった3頭を見つけて安心したまでは良かったが、小屋へ連れ戻す時は大人3人がかりでも「くたくたに疲れた」ほど大変な作業になったそうだ。自由に森の中で1か月間過ごした3頭は、小屋に戻っても「とても幸せそうに過ごしている」といい、そんな彼らの様子を見てスタッフたちもホッとしているという。

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