“容姿端麗なら良い席”で物議、仏レストランが客の外見で振り分け。

2013/11/13 18:39 Written by Narinari.com編集部

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フランスで最近、客の容姿を判断した上で案内する席を決めているレストランの存在が明るみとなり、波紋を広げている。元店員の暴露によりわかった事実に、多くの人々が衝撃を受けているようだ。

仏テレビ局TF1や仏紙ザ・ローカルなどによると、問題の内部ルールがあったとされるのは、国立近代美術館や図書館などが入るパリの複合施設ポンピドゥー・センター最上階の6階にあるレストラン「ル・ジョルジュ」。ルールの存在は、高級レストランとされるこの店で働いていた元従業員2人が、皮肉や風刺を込めた特徴ある記事を掲載するとして有名な仏週刊紙カナール・アンシェネの取材に応じた中で明らかになり、傲慢な対応としてフランス国内で大きな波紋を広げている。

開放的な外観で、上を見上げた通行人からも店内がよく見えるのが特徴だという「ル・ジョルジュ」。そのため、店の経営者が自ら「美しい人たちはここに座らせ、そうでなければ向こうへ案内しろ、難しくないだろう」と対応方針を2人に話していたという。店のイメージを考えた経営者は、通行人からも特別よく見える窓際や入り口付近などの席に容姿端麗な客を、魅力に乏しいと判断した客は見えづらい奥へ案内するようにと指示を出し、徹底するよう求めていたそうだ。

もしも判断を誤って案内しようものなら、叱責を受けたはずと話す元従業員。特に対応が難しかったのは、来てみて初めて顔が分かる「電話予約の客」だったそうで、受付の際には「席を確保できるよう最善を尽くす」とだけ伝え、実際に客が訪れてから、希望の席へ案内するか「予約で埋まっている」と話して内部ルールに従った席へ案内するか決めていたという。それだけ厳しいルールの中で“唯一の例外”は有名人。有名人に関しては、容姿に関わらず良い席に案内していたそうだ。

フランスでは今年に入って、容姿だけでなく視覚障がい者の入店を拒んだレストランや衣料品店が話題になったばかりで、今回の「ル・ジョルジュ」のケースも市民の反発を招いている様子。

このルールは、「ル・ジョルジュ」と同じ経営グループがルーブル美術館中庭で営業している「カフェ・マルリー」でも運用されているそうで、従業員採用にあたっても容姿はもちろん「30歳以上、身長約170センチ未満は断る」(米紙ニューヨーク・デイリーニュースより)といった基準が設けられていたという。こうしたイメージ戦略が突然広く知られてしまった経営者側は、さまざまなメディアからの問い合わせに対し、今のところ一切「コメントしていない」そうだ。

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