指全部“指紋認証”通らず悲劇、財布紛失から不便な生活が始まる。

2013/11/03 15:21 Written by Narinari.com編集部

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中国で先日、指紋認証が原因でさまざまな苦難に遭遇した哀れな男性の話が報じられた。すべては“財布の紛失”か始まったという。

中国メディア東快網などによると、この男性は福建省福州の盛さん(仮名)。盛さんは数か月前に財布を紛失し、生活に欠かせない身分証や銀行カードなども一緒に失ってしまった。

普通であればすべて再発行すれば良いだけの話だが、盛さんの場合は異なっていた。というのも、身分証の再発行には指紋認証が必要なのだが、盛さんの10本の指は天候のせいで皮が剥けており、認証が通らなかったのだ。7月末から現在に至るまで、いまだ再発行できていないというのだから事態は深刻で「財布を落としただけでこんなに影響があるなんて。これでは遊牧民だ」と頭を悩ましている。

盛さんはこの3か月、身分証再発行のために何度も派出所を訪問。それでもいつも指紋認証は成功せず、担当者が指先にスキンクリームなどを塗ってもまったくダメ。ある日、指先の状態が良い日を見計らって急いで派出所を訪れたが、結果は同じだった。

身分証がないと中国では行動範囲が極めて限られる。列車に乗るのも、ホテルに宿泊するのもすべて身分証の提示が求められるためだ。加えて、盛さんはかねてから参加を楽しみにしていたバドミントン大会にさえ出場できなかった。大会出場には身分証の提示が必要だからだ。

ちなみに、財布の紛失以前からの話だが、指紋認証が通らずに不便を感じていたことはこれまでにもあったという。それは会社の勤怠管理。盛さんが務める会社では指紋認証で勤怠管理を行っており、指紋認証が通らない盛さんは出勤・退勤時間を打刻できない。同僚は何度か試せば必ず認証が通るが、盛さんだけは無理。挙げ句には会社から出退勤を疑われるようにもなったそうだ。

なお、関連部門の人民警察は「(盛さんのように)10本すべての指の指紋が読めないというケースは極めて珍しい」と話す。それでもやはり盛さんの指の状態が良くなるのを待って認証が成功してからでないと身分証の再発行はできないという。盛さんの苦難はもうしばらく続きそうだ。

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