末期がん“生きる為”に結婚式、ウェディングプランナーが全面協力。

2013/08/02 14:31 Written by Narinari.com編集部

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今年6月、肺がんの進行により余命半年未満と診断された米国のある女性。まだまだ生き続けたいとの強い意志を抱く彼女は、自分を後押しするべく、6年間交際していた彼との挙式を行うと決めた。7月27日の開催に向け友人たちが少ない時間で必死に準備を進める最中、Facebookで準備の仕方について書き込んだ彼らの質問にプロのウェディングプランナーが気付き、協力を申し出た。短期間で多額の寄付を集めたプランナーの活躍もあって、2人は晴れて盛大な式を行ったという。

米放送局NBC系列KNTVや米紙サンノゼ・マーキュリーニュースなどによると、結婚式を挙げたのはカリフォルニア州サンノゼに住む35歳の女性、ジェン・ブリクさん。今年初め、肺炎と診断された後も咳が止まらなかった彼女が病院で詳しい検査を受けてみると、がんを発症していると判明した。その後、5か月間治療を続けていたものの改善には至らず、6月の時点でステージ4にまで進行した彼女は、医者から「余命6か月未満」との宣告を受けたという。

しかし、気丈だった彼女は医者の宣告を聞いた後、6年間交際を続けた彼氏ジェフ・ラングさんに「結婚しよう」と逆プロポーズ。「命にこだわりたかった」彼女は、これからも生き抜く力となる希望の1つとして結婚を決意したのだ。式の日取りは7月27日に決定。2人は友人たちの協力も得て準備を進めたものの、短期間だったせいもあって簡単な準備で「小さな結婚式を挙げる計画」を立てていたそうだ。

それでも、結婚式の準備をする機会というのはなかなかないだけに、料理の仕出しや写真撮影など、様々な手配の仕方に戸惑ったという彼ら。そこで友人の1人は7月上旬、結婚式の話題を取り上げるFacebookのグループページ上でやり方を聞こうと、質問を書き込んだ。その質問に気付いたのが、サンフランシスコで会社を経営しているウェディングプランナーのエリカ・オータさん。気になったエリカさんは、詳しい事情を聞こうと彼女が治療を受けている病院を訪ね、本人や両親から直接気持ちや要望を聞き取ると、「信じられないほど心が揺さぶられた」と全面的な協力を申し出たという。

この時点で、予定した7月27日までは残り2週間弱。「望むことを全てしようと決めた」(米紙ニューヨーク・デイリーニュースより)エリカさんは、関係する店や企業へ連絡して広く寄付を求めた。その結果、通常は6か月から9か月かかるとされる結婚式の準備をわずか12日以内で完了した上、40以上の企業から5万ドル(約490万円)相当のサービスや商品を集めた。

そして迎えた当日、2人はブリクさんの両親が住む自宅近くの公園で結婚式を開催。多くの料理や花も並び、当初の計画よりもはるかに盛大な形となり、式に臨んだブリクさんは「夢のよう」と喜んだという。

そんな新郎新婦に大きな力を与えたエリカさんは、さらなる行動で今後の支援を用意。結婚生活を続けられるように、彼女が「全ての医療費をまかなえる資金を提供して欲しい」と寄付サイトの「GiveForward.com」にページを開設し、7月30日時点で870人超の人たちから約4万8,500ドル(約470万円)もの寄付を集めている。目標額は7万5,000ドル(約730万円)で、少しでも多く集まって欲しいところだ。

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