人恐れず餌ねだる野生のクマ、重大事故懸念するロシアの警察が警告。

2013/06/14 13:04 Written by Narinari.com編集部

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安易に餌を与える人がいたがために、もらうことを覚えた野生の動物が、後になって人間社会に少なからず被害を及ぼしたという事例は日本でも聞かれる話。ロシア中西部を走るある高速道路上では、道路脇に広がる森で生息している野生のクマたちが、通過する車へ怖がらずに近づいて餌をねだる行動を起こすようになり、事故発生を懸念する地元警察が「餌をあげないで」と警告する事態になっているという。

ロシア紙シベリアン・タイムスによると、餌をねだるクマが出没するのは、ロシア中西部の街ハンティマンシースクとチュメニ間を南北に結んでいる、高速道路上の途中。最近、道路脇に広がる森に生息するクマに向かって、「コンデンスミルクや肉の缶詰」などといった食べ物を与えるドライバーが増え、簡単に餌が手に入ると学んだクマたちが、高速道路へ頻繁に出没するようになっているそうだ。

シベリアン・タイムス紙では、現場を通過したドライバーが撮影した動画「Bears begging for food Siberia」(//www.youtube.com/watch?v=Wf6Q-Xuq_vY)も紹介している。そこには道路脇に複数のクマの姿が確認でき、そのうちの1頭が停車している撮影者の車へ躊躇なく接近。車に両手を掛けて立ち上がると、窓の中を覗き込むように顔を近付けている様子が映されている。

撮影者の場合は、間もなくクマを振り払うように走り出して被害を受けた様子はなかったが、中には窓を開けて食べ物を投げるドライバーも少なくないそうだ。また、地元住民の中にも慣れたクマたちに愛着を寄せ、名前を付けて餌を与える人が目立つようになったといい、結果的にクマたちが朝昼晩と時間に関係なく現れるようになり、車に対しても恐怖心が薄れてしまったため、最近はクマが轢かれる事故件数も増えている。

そうした現状に、「重大な問題」と危機感を募らせているのが地元警察。今のところクマの襲撃を受けたとの事故報告はまだないというが、このままでは様々な不測の事態も起きかねず、お互い危険に直面する可能性が増していくのは間違いない。そのため地元警察では、現場を通る際はクマと衝突しないように「慎重にスピードを抑えて」通過し、クマが現れた際には「クラクションを鳴らして、絶対に餌を与えないように」と警告しているという。

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