無印が“販売中止運動”に反論、フカヒレ商品巡り署名活動起きる。

2013/06/09 09:50 Written by Narinari.com編集部

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「無印良品」を展開する良品計画は6月7日、今年3月頃よりネットを中心に行われている「ごはんにかける ふかひれスープ」の販売中止を求める運動について、公式サイトに反論を掲載した。

この運動は、世界的に乱獲されるサメの保護が叫ばれている中、「無印良品」で準絶滅危惧種のヨシキリザメのフカヒレを使用した「ごはんにかける ふかひれスープ」が売られていることに疑問を抱いた人たちが、動物保護団体などのサポートを得ながら、商品の販売中止を求めて活動しているもの。署名サイトなどで賛同を呼びかけ、6月9日には実際に店舗前で抗議活動を行うとしている。

良品計画はこうした運動について、7日付けで「無印良品『ごはんにかける ふかひれスープ』の販売中止を求めるご意見について」とする文書を公式サイトに掲載。同社はこれまで静観の姿勢を保ってきたが、「販売中止を求める主張の根拠とされている主たるポイントの中には、一般消費者の皆様に対して誤解と混乱を招くのではないかという懸念を抱かざるを得ないもの」が含まれていることから、今回、公式見解を発表するに至ったという。

その中で、運動側が主張している「フカヒレスープの需要により殺害されるサメの数は何と年間約1億匹」と、「同社の利用するヨシキリザメは国際自然保護連合(IUCN)により準絶滅危惧種に指定」の2点に反論。

まず、同社が使用しているフカヒレは「約70%以上の量が宮城県気仙沼港の他、日本国内にて水揚げされたサメからのものであり、残り30%弱がスペイン産」と産地の内訳を明かした。

そして「この気仙沼港で水揚げされるヨシキリザメは、主にマグロ延縄漁の“混獲魚”として水揚げされたものであり、その混獲されたサメは水揚げされたのち、その身は各種練り物製品へ、また軟骨は健康食品、皮革は工芸品等にと、さまざまなものへ利用されています」と、フカヒレ目的で獲ったサメを使用しているわけではなく、このことは「弊社商品開発担当者が現地の港にて、サメの水揚げから加工までの工程を実地検分にて確認が済んでおります」としている。

そのため、「一部の地域で行われているようなFinning(ヒレだけを取るためにサメを殺戮し、その他の部分は海上で投棄する)によるものとは明らかに一線を画す手法であり、同一視されるべきものでもありません」と明言。現在使用しているスペイン産についても同様の入手方法だという。

また、もうひとつのヨシキリザメが準絶滅危惧種だという指摘については、国際自然保護連合(IUCN)の「保全状況の評価リスト」の分類一覧を例示した上で、「こちらは準絶滅危惧種が評価リスト上でも低リスクに分類されており、その中でもヨシキリザメは下位に位置づけられています」と説明。「さらには、日本の所管省庁への確認のみならず、日本の法令によっても何ら漁獲規制のないことは確認が済んでおります」と、問題がないことを重ねて説明した。

こうしたことに加え、同社は「生産者である宮城県の気仙沼を中心として行われてきた伝統的地場産業の一助となる」との観点から、今後も「ごはんにかける ふかひれスープ」の販売は「継続することが妥当」との方針を明かしている。

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