“恋人に捧ぐ歌”闘病18歳死去、「たぶん、またいつか会えるさ」。

2013/05/22 20:00 Written by Narinari.com編集部

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昨年12月、恋人に向けて歌を制作した、米ミネソタ州の男子高校生が大きな注目を集めた。ザック・ソビークくんは4年前に骨肉腫を患って以来、懸命な治療を続けたものの昨年5月の時点で余命1年と診断され、恋人に向けた“さよならの手紙”として「Cloud」という曲を制作。地元ラジオ局の紹介から、曲はたちまち評判となって大きな反響を呼び、一躍有名な存在になったが、残念ながら5月20日、家族や恋人に見守られながら自宅で18年の人生に幕を閉じた。

ミネソタ州レイクランドに住む高校生だったザックくんは、14歳で骨肉腫を発症。以降、改善を目指してさまざまな治療を行ったものの結果に結びつけられず、昨年5月には骨盤や肺への転移も認められ、余命1年と宣告された。さらに10月の検査で肺での進行が確認され、命の残り時間が少ないと感じた母親が、彼に「“さよならの手紙”を書き始めたら」と提案。すると、手紙を書くのが苦手だった彼は、得意のギターを使って歌を作ろうと考え、そのうちの1つとして交際していた彼女に宛てた曲「Cloud」を制作した。

そんな彼の存在を世に紹介したのは、地元のラジオ局。がんと闘う高校生として昨夏取材をしていたラジオ局は彼のギターにも興味を持ち、オリジナル曲の制作を依頼していた。そこで彼は出来上がった「Cloud」を局に送り、12月にオンエア。すると、リスナーから大きな反響を呼ぶことになった。

また、それに先立ち、歌に感動した局の関係者がバンドを集め、彼をスタジオに呼んでレコーディングも実施。その様子を収めた動画がYouTubeに「Clouds by Zach Sobiech」のタイトルで公開(//www.youtube.com/watch?v=sDC97j6lfyc)されると、米メディアで広く紹介されたこともあり、5月22日現在、再生回数は400万回超(5月22日現在)を突破している。

たぶん、またいつか会えるさ――。当時17歳だった彼が彼女を想ってつづった歌詞には、多くの人が感動。多数寄せられた応援の声も生きる力に変え、ザックくんは13種類の薬を飲み、周囲にも支えられながら懸命に生き続けた。今年5月3日には18歳の誕生日を迎え、恋人のエイミー・アンダムルさんと一緒に高校の卒業記念パーティーに出席する元気もあったという。しかし、体調が良くなったのは一時的で、その後、急激に悪化していったそうだ。

そして5月20日、ザックくんは自宅で家族や恋人に見守れながら、4年にわたる闘病生活を終えた。テレビの取材に「息子の死をお知らせするのはとても悲しい」(米紙ニューヨーク・デイリーニュースより)と話した家族は、今は愛するザックくんを失ったショックに包まれている。

ただ、彼が作った「Cloud」は、これまでに「約10万ドル(約1,000万円)を売り上げ」(米紙ミネアポリス・スタートリビューンより)、その収益はがんの子どもを支援する基金へ寄付されているそうだ。18歳という短い生涯だったものの、病気と闘いながら世間に大きな足跡を残したザックくん。関係者からは、そんなザックくんに「今後に繋がる遺産を残してくれた」と感謝の声が上がっている。

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