孤独な白鳥の切ない“恋物語”、最愛のヘリコプターに会うため空港へ。

2013/05/22 11:28 Written by Narinari.com編集部

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フランスにほど近い、英王室属領のジャージー島でいま、空港に頻繁に現れる1羽のオオハクチョウが話題を呼んでいる。この鳥は2年前につがいのパートナーを失って以来、空港近くのゴルフ場を住まいとしているオス。最初は新たな相手を探していたが、やがて空港をよく利用する1機のヘリコプターに“恋”をしたようで、昨年からヘリが到着するたびに現れては近寄って行くようになり、空港当局は事故が起こらないか頭を痛めているそうだ。

英紙デイリー・メールや英放送局BBCなどによると、このオオハクチョウがジャージー島を住まいにしたのは2年前のこと。ゴルフ場関係者の話では、パートナーと死別した彼は当初、空を飛び周って仲間を探していた。ところが、ジャージー空港でヘリコプターに“恋”をすると近くのゴルフ場に定住。見初めたヘリコプターは近くのガーンジー島で暮らす裕福なビジネスマンが所有しているとされ、ヘリが定期的にジャージー島へやって来ると、普段は周辺を飛んでいる彼も必ず空港に飛来し、近づいて寄り添うような仕草を見せるという。

ヘリコプターという“恋人”を見つけ、「とても幸せそうに見える」というオオハクチョウ。問題がなければ暖かく見守ってあげたいところのようだが、“恋”で周りが見えなくなっている彼に空港の関係者は神経を尖らせている。

空港側が最も懸念しているのは、大事故にも繋がりかねないバードストライク発生の危険性。空港はビジネスマンのヘリだけでなく、多くの飛行機やヘリも利用するだけに、怖がりもせずにヘリへ近づくようになった彼が動く機体に接触すれば、乗客の安全や滑走路の運用にも大きな影響を及ぼしかねない。そうした事態が起きないようにと、空港側はゴルフ場関係者に「飛来しないようにして欲しい」と要請もしているそうだ。

しかし、お願いをされたゴルフ場側にしても、彼を留めておく方法がないのが現状。ただ、空港への影響や彼の今後のためにも、本当のパートナーとなり得るメスの白鳥を見つけてあげたいと、ゴルフ場の関係者たちは考えている。そうすれば、彼も空港へやたらと飛来するような状況もなくなるのではと期待しているようだが、問題はジャージー島に白鳥が多くはいないとあって、相手探しも容易ではないこと。そんな人間たちの心配をよそに、彼とヘリコプターの“恋物語”は、これからもうしばらく続くことになりそうだ。

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