女性に“丸坊主”強要する企業、拒否した社員解雇の対応が中国で物議。

2013/04/23 15:42 Written by Narinari.com編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加


程度の差はあるにせよ“ブラック企業”は世界中どこにでも存在しているが、労働条件が厳しいというだけでなく、中にはとても信じ難い要求や、理解に苦しむ理不尽なことを社員に強いる企業もある。中国でこのたび物議を醸しているのは、幹部社員に“丸坊主”を義務づけていた企業。男性社員だけでなく、女性社員にも強要していたそうだ。

中国メディア南都網などによると、今回問題になっているのは浙江省寧波市鎮海区にある企業。旧正月後の年始会議で“丸坊主”の方針が突然発表され、「幹部社員は全員丸坊主にすること。丸坊主にした社員には1万元(約16万円)の報償、逆に丸坊主にしなかった社員には1万元の罰金を科す」という内容だった。加えて、丸坊主にした後はケアをしっかりすること(髪が伸びたら剃る)、営業先でかつらや帽子をかぶることも禁じられたという。

この規定を受け、中には率先して丸坊主にする幹部社員も現れたが、そのほとんどは男性。6人の女性幹部社員は丸坊主にすることを最後まで拒み、結果として会社から解雇通告を受けるハメになった。

その後、6人の女性幹部社員のうち5人が会社の対応に「納得がいかない」とし、鎮海人社局(人力資源和社会保障局)に訴え出たことからこの一件が明るみに。同社の総経理は「丸坊主にしなかったから解雇したのではない。信用できない社員だから解雇したのだ」と訴えを認めようとせず、「実際、会議では社員に同意のサインをもらっていた」として、会社の落ち度ではないとの立場を強調した。

しかし、これに関して女性社員には異論があるようで「丸坊主にするという具体的な内容は、会議では示されなかった」そう。その後突然「丸坊主にしろ」と言い渡されたため、内容を最初に示されていたら「サインなんかしなかった」と反論する。

最終的に鎮海区労働仲裁部門の調停により、解雇された女性社員には補償金が支払われることで決着したそうだが、ネットユーザーの間では「企業のリストラの口実だ」と断じる声が多い。また、「自分も理不尽な要求をされている」とのコメントも散見され、今回の一件ほどではないにせよ、自身の会社に不満を抱えている中国の若者は少なくないようだ。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.