吉井理人氏が考える“投手魂”、日米の経験で築いた投球哲学を1冊に。

2013/03/19 13:53 Written by Narinari.com編集部

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近鉄、ヤクルト、メッツと日米の球団を渡り歩き、現役引退後は日本ハムの投手コーチとして2度のリーグ優勝に貢献した吉井理人氏。そんな日米野球界の表も裏も知り尽くしている彼が、これまで培ってきた「投手とはかくあるべし」という“吉井理人流投手哲学”をギュッと凝縮した書籍「投手論」(PHP研究所)が、3月18日に発売された。

メジャーでは通算32勝し、日本人初のポストシーズン開幕投手も務めた吉井氏だが、なぜ150キロの剛球を投げなくとも、メジャーで先発投手として勝ち星を積み上げられたのか。また、コーチとして、どのようにしてダルビッシュ有投手や吉川光夫投手らを、球界を代表するエースに導いたのか。そこに存在する、これまでの投手観とはまったく異なる“投手魂”を明かしたのがこの書籍だ。

「打たれてKOされた時こそ、偉そうにベンチに帰って来い。打たれて下を向いたら罰金」といった吉井氏が考える投手の魂や、「打者は、ゴロを打とうとするのに、なぜ投手は、低目に投げなければならないのか」などの投球術に触れ、「メジャーでは追い込まれてからヤマをかける、一方日本の選手は、ストレートでも変化球でも対応できるように待つため、いいところに決まると手が出ない」といた打者の“待ち方の違い”などにも言及している。

吉井氏は1965年生まれ、和歌山県出身。1983年のドラフトで近鉄に指名され入団、1988年には抑え投手として活躍し、最優秀救援投手のタイトルを獲得した。1995年にヤクルトへ移籍し、先発としてチームの日本一に貢献。1997年オフにFA権を行使して海を渡り、メッツと1年契約、1998年には野茂英雄投手に次ぎ日本人メジャーリーガー史上2人目の完投勝利を挙げた。

1999年にはダイヤモンドバックスとのディビジョンシリーズ第1戦では日本人初のポストシーズン開幕投手となり、ランディ・ジョンソンと投げ合う。2003年に日本球界に復帰。2008年から日本ハム1軍投手コーチ。2010年に同2軍投手コーチ就任。2011年から再び1軍投手コーチを務めた。2009年と2012年、パリーグ制覇を果たしている。

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