曲が流れ続ける“幻聴”に悩む、会話や睡眠も妨げられ苦労絶えず。

2013/03/18 18:08 Written by Narinari.com編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加


英国のある女性は3年前から突然、小さな頃に好きだった往年のヒット曲が聞こえ続けるという珍しい“幻聴”の症状が現れ、時には会話や睡眠を妨げられるほどの苦労を強いられているそうだ。

本人いわく「電源が切れないラジオを持っているようなもの」という状態に陥っているのは、英南東部のエセックス州コッゲスホールで暮らす63歳の女性、スーザン・ルートさん。英紙デイリー・テレグラフや英放送局BBCなどによると、彼女に止まらない幻聴が起きたのは3年前からで、長年仕事をしている学校の清掃作業中に突然始まった。しかもそれは無機質な「キーン」といった音ではなく、小さい頃によく聞いていた歌が流れてきたのだ。

彼女が頻繁に聞こえてくると話すのは、1950年代に英国で大ヒットした曲「How Much Is That Doggie In The Window」。今年1月に亡くなった米国の女性歌手で、「テネシーワルツ」など多くの名曲を世に送り出したパティ・ペイジの曲で、合間に犬の鳴き声が使われるなど、普通に聞けば明るく小気味よい歌だ。ルートさんもまた、「小さい頃はこの歌を好んでいた」と母親から聞かされていたそうだが、今となっては耐えられないほど聞くのが嫌になっている。そのほかにも英国の国歌「God Save the Queen」や「ハッピーバースデー」「蛍の光」が聞こえてくるときもあるという。

音楽そのものが今でも止まらないため、日常生活で多くの悩みを抱えていると話すルートさん。特に夜は症状が悪化し、睡眠の大きなトラブルになっている。また、夫と会話をしているときも幻聴が「彼の声をかき消す」ことがあり、何を言っているのか聞き取れない場合があるとも。会話がスムーズに成立せず、しばしば2人がイライラする状況に陥ることもあるそうだ。

ずっと止まらない幻聴に恐怖すら感じた彼女は、これまでにさまざまな医者やセラピストを訪ねて2度の手術も経験。強い耳鳴りや幻聴には、聴力の低下といった物理的要因から、ストレスなど精神面による影響など様々な原因が考えられるというが、彼女の場合はハッキリした原因は未だ特定されず、どの手術や治療も効果がなかった。

専門家に相談しても治らない現状に、最近では「たぶん残りの人生も、この地獄のような症状に悩み続けるのでしょうね……」と諦めの境地に入っているというルートさん。それでも自分なりに少しでも落ち着ける方法も少しずつ見出しながら、厳しい毎日を過ごしているようだ。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.