桂文枝「三枝と書きそうに…」、襲名後初の記念本サイン会で苦笑い。

2013/03/04 00:38 Written by Narinari.com編集部

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落語家の桂文枝(69歳)が2月28日、上方落語の大名跡“六代 桂文枝”襲名を記念してのビジュアル書籍「六代 桂文枝ヂカラ『桂三枝』のその先へ」(3,780円/マガジンハウス)を発売した。写真、インタビュー、対談など、さまざまな角度から“六代 桂文枝”の魅力に迫る濃い一冊。「週刊平凡」「月刊平凡」で撮影された桂三枝時代の貴重な写真や、これまでに作った228作品の創作落語も網羅しているほか、襲名後に初めて書き下ろした229作目の創作落語も掲載されている。

3月3日には、大阪・MARUZEN&ジュンク堂書店梅田店でサイン会が開催された。本を購入した多くのファンが長い列を作り、サイン会は約1時間におよぶ大盛況。終了後の会見で文枝は「これまでいろいろ本を出してきたが、今回が一番値段の高い本。申し訳ありません」と笑いを交え挨拶した。

本書の目玉の一つである229作目の創作落語については「これはまだやったことがない。そして、これからもたぶんやらないで、本の中だけに収めておきたい」とのこと。過去の創作落語をテーマ別に分類・紹介したページに関しては「(改めて見て)自分でもビックリしました。こういう形で残っていけば、ありがたいですね」と、まさに集大成と言える内容に大満足の様子で、「これを見て力をもらい、この先へ進んでいきたい。『六代 桂文枝ヂカラ』というタイトルだが、私自身も力をもらえる本だと思います」と語った。

ほかにも影響を受けた本や映画、音楽までカバーした多彩な内容となっており、「いろんな力を私にくれた人」(文枝)という、精神分析学者きたやまおさむ氏との対談にも注目だ。

この日は昨年7月16日に“六代 桂文枝”を襲名してから初のサイン会だったが、「まだ書き慣れないですね」と苦笑い。思わず“三枝”と書きそうになることもあったそうで、「高い本なので、間違えないようにすごく緊張しました(笑)。書き損じたら弁償しないといけないなあ、と思って」と、無事に終わりホッとした表情を浮かべた。最近は「文枝さん」と呼ばれることのほうが多くなってきたと実感しているものの、「私の意識が、まだそれに付いて行ってないんですよ」と明かした。

また、「これからは『読む落語』も作っていきたい」とも。「演じるときは場面転換が多くないほうがわかりやすくて良いんですが、落語を作るときは、そういうものも書いてみたい。たくさん登場人物を出してみたいし……これを機に、ぜひ作っていきたいですね。それを読んで、若い人が『落語をやってみようかな』と思ってくれたら嬉しい」と抱負を語るとともに、読む人には「ぜひ(高座で)やっている姿を想像しながら読んでみて」とメッセージを送った。なお、「できればこの本のパート2を、これからの10年間の集大成として、80歳のときに出したい」と、続編にも意欲をのぞかせている。

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