“妊婦腹”利用者がクレーム、「品質が悪い」と政府機関に訴える。

2013/03/03 09:10 Written by Narinari.com編集部

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中国のネット通販サイトで販売されている着脱式の“妊婦腹”をご存知だろうか。人を笑わせたり、驚かせたりする目的のほか、公共交通機関などで座席を譲ってもらう、会社のリストラ要員にリストアップされることを避けるなど、多様な使い道があるとして話題を呼んだ商品だ。そんな“妊婦腹”を巡り、このたび、実際に購入・利用した女性が「品質が悪い」と政府機関に訴える騒ぎがあった。

中国紙新京報などによると、この訴えを起こしたのは北京市で暮らす張さん。張さんは住まいのある梨園から毎日地下鉄に乗って通勤しているが、利用者の多い駅のため滅多に座れず、日頃から不満を抱えていた。

しかしある日、張さんはネットの掲示板で“妊婦腹”の存在を知る。そこには「妊婦腹を装着すれば、公共交通機関で席を譲ってもらえますよ」という魅力的な文言が記されており、また、それほど高い商品でもなかったことから、試しに購入することにした。

ところが、いざ“妊婦腹”を装着して出勤すると、予想外のトラブルが発生。きつく締めていたはずのベルトがいつの間にかゆるみ、服の下から“妊婦腹”がずり落ちてしまったのだ。

公衆の面前で恥をかかされた張さんは怒り爆発。販売業者にクレームを入れるため、掲示板を再び訪れるが、すでにその書き込みは削除されており、連絡も取れない。怒りが収まらない張さんは、「それならば」と通州梨園工商所に訴えることにした。

張さんの訴えは「妊婦腹は品質が悪い」というもの。しかし、肝心の工商所はこの訴えを受理しなかった。中国の「消費者権益保護法」では「生活上の消費に必要との理由で、商品を購入する者を消費者とする」と定義しており、“妊婦腹”を購入して地下鉄に乗車した張さんは、この定義に当てはまらなかったようだ。

また、工商所関係者は「妊婦腹を購入して写真撮影をしたり、文芸の演出などのために利用することは違法ではない」と、“妊婦腹”自体に問題はないとの見解を示した上で、「装着して人を欺いた場合は、法律に抵触する」とクギもさしている。

なお、中国最大のショッピングサイト「タオバオ(淘宝網)」では多くの“妊婦腹”が販売されており、人気店ではすでに500個以上も販売しているという。

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