“親より稼ぐ子”中国のお年玉、急速な経済発展でお年玉事情にも変化。

2013/02/26 17:10 Written by Narinari.com編集部

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日本と同様、一部のアジア諸国にはお正月になると子どもにお年玉を贈る文化があるが、急速な経済発展が進む中国では、子どものお年玉でも大きな“格差”が生まれているそうだ。

中国紙重慶晨報によると、37歳の鍾厚華さんには8歳になる息子がいるが、先日、自分と夫の実家にそれぞれ里帰りしたところ、息子が予想以上に多くのお年玉をもらい、ビックリしてしまったという。

息子に贈られたお年玉は合計39袋、金額にすると2万元(約30万円)。もちろん、鍾さんは鍾さんでいろいろな場所でお年玉を配り、合計7,300元(約11万円)を支出したが、単純に計算すれば1万3,000元(約19万5千円)の“プラス”となる。1万3,000元という金額は、鍾さんの給料3か月分に匹敵する額のため、驚くのも何ら不思議ではない。

鍾さん曰く、一家には親戚が多い反面、子どもがいない家庭が多いそう。それがこうした不均衡な収支を生んだのではないかと見ている。また、ひと昔前は1袋につき200元(約3,000円)以下だったお年玉が、最近は300元(約4,500円)以上が当たり前になった。500元(約7,500円)入っていることもざらだという。鍾さんは「(自分の)年末のボーナスがあるかないかなんて関係ないわ。だって息子が代わりに稼いでくれるんですもの」と冗談まじりに話すが、一方では「申し訳なさも感じている」そうだ。

とは言え、中国の子どもなら誰しもこれほど多くのお年玉をもらっているわけではなく、数十元〜数百元程度しかもらえない子どもは多い。河北省石家荘市では先日、10歳の男の子が同年代の子ども4人から袋だたきに遭う一件があったが、トラブルの原因はお年玉の金額自慢が発端だった。鍾さんの息子ほどではないにせよ、合計約4,000元(約6万円)のお年玉をもらっていたその子は、ほかの子どもたちの前でお金を見せびらかしたために妬みを買い、襲撃を受けたのだという。

中国はメンツ社会であるために、親がより多くのお金を包めば、子どもにはそれ相応の見返りがあるのは当然のこと。子どもが得られるお年玉の金額は、結局は親の経済力に左右されることになり、それがお年玉でも大きな格差を生む原因となっているようだ。また、一人っ子政策などの影響により、少子高齢化社会が進んでいることも、一部の子どものお年玉の収入を大きく増やす要因と言える。

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