高校生が後脚麻痺の子猫救う、獣医の相談受け特別な補助輪を制作。

2013/02/16 11:32 Written by Narinari.com編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加


米コロラド州の動物病院に昨年末、1匹の子猫がやって来た。生後9か月というそのメスの猫は、生まれたときから脊髄を損傷している状態で後脚に力が入らず、前脚2本だけで動かざるを得ない生活を余儀なくされていた。そこで何か改善策をと考えた獣医は、定期的に活動費の寄付を行っている高校のロボットクラブに協力を打診。試行錯誤の末に制作してもらった補助輪のおかげで子猫は活発に走れるようになり、活動範囲が広がったそうだ。

米紙デンバー・ポストや米放送局ABC系列KERO-TVによると、コロラド州アスペンパークの動物病院にメスの子猫フリッパーがやって来たのは昨年11月頃のこと。フリッパーは生まれながらに脊髄がロープをよじったような状態となっており、下半身に力を入れられず、常に前脚2本の力のみで動くしかなかった。そんな状況を見た獣医は、無理な手術は行わず、リハビリを通じて脊柱をほぐし自力での歩行を目指そうとの治療方針を決断。そこでリハビリに欠かせない道具を作ってもらおうと、高校生たちに相談を持ちかけた。

動物病院からほど近い場所にあるコニファー・ハイスクールのロボットクラブには、以前より動物病院が定期的に寄付をしていた。そのことを知っていた獣医は、うってつけの相談相手とフリッパーのための補助二輪を作ってもらえないかと打診。すると、話を聞いた部員たちは補助輪制作に協力すると約束した。

その日から部員たちは、パソコンや工具を使って補助輪作りに集中。フリッパーのサイズや機能性を考えながらデザインの検討を重ね、いくつかの試作品作った後に、ハーネスを付けた二輪車の補助輪にしようと決め、1月下旬に完成させた。その補助輪を付けているフリッパーの姿はYouTubeに投稿されている動画「Flipper the Robot cat CMO」(//www.youtube.com/watch?v=kIGwMij6_fw)で紹介されている。

床に下ろされると勢いよく走り出し、補助輪の効果を存分に味わっている様子のフリッパー。横に曲がっていた下半身も、補助輪で支えているおかげで弱々しいながらも立てている状態となっており、動く際には後脚も蹴っているのが分かる。

現在、フリッパーは1日2時間ほど補助輪を使った訓練を重ねており、獣医も「以前より元気になっている」と訓練の効果を実感しているそうだ。フリッパーが自力歩行できるようになる日も、そう遠くはないのかもしれない。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.